8月25日、歌手のASKAがオフィシャルブログを更新し、音楽デュオ「CHAGE and ASKA(チャゲアス)」からの脱退を発表。多くのファンが活動再開を待ち望んでいただけに、赤裸々な文章で綴られたASKAの脱退表明は大きな波紋を呼んでいる。
ASKAによると、チャゲアスのバランスが崩れ始めたのは2004年頃からだという。“最強のバランス”は7(ASKA):3(Chage)とした上で、「環境の変化もあり、『5:5』の裏に隠れていた絶妙の『7:3』を、(Chageが)『5:5』へ主張するように」なったことがきっかけだと明かしている。また09年の活動休止宣言を経て、13年に開催予定だった復活ライブが中止となった点にも言及。ASKAは「僕抜きの話し合いで『中止決定』して欲しくはなかったな」と、心情を吐露した。
ASKAの独白はさらに続き、今年7月に届いた弁護士のメールにChageから「できれば、二人で会いたい」と添えられていたことを告白。「そんな大事な言葉さえ、弁護士を経由して伝えてくるあいつとの信頼関係は、もう築けません」と、Chageへの不信感をあらわにしている。
ASKAの脱退発表を受けて、Chageはファンクラブサイトで「皆様を悲しませてしまった事に責任を感じると共に率直にとても残念な思いです」と、心境を明かした。「彼が理由に挙げている事に、ここで意見することはありません。彼の思いは『彼の考え』である事に間違いありません。そして誰が何を言っても『覆る』事はないのでしょう」と語り、あえて自身の主張は封印して、ASKAの脱退が避けられないことを示唆した。
1979年にデビューしたチャゲアスは、91年にリリースした『SAY YES』が累計売上枚数約282万枚を記録。さらに、93年にリリースした『YAH YAH YAH』も200万枚超えのセールスを記録するなど、数々のミリオンヒットを生み出してきた。
ファンに大きな衝撃をもたらしたのは、14年に起きたASKAの覚せい剤取締法違反(所持)による逮捕劇だろう。執行猶予つきで有罪判決を受けたASKAは、16年にも覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕(嫌疑不十分で不起訴)されて話題を呼んだ。
ASKAの脱退という結末に、ファンからは「いつか2人のステージがまた見られると信じていたので残念」「さんざん迷惑をかけたのに、ASKAは身勝手すぎる。Chageが責任を感じる必要はない」「ASKAはファンの気持ちに寄り添ってくれませんでしたね。なぜこんなかたちで発表したのか理解に苦しみます」といった批判の声が殺到した。
一方で「ASKAの気持ちもわかる。『CHAGE and ASKA』は2人でコントロールするには大きくなりすぎた」と、同情する声も寄せられている。また、ヒット曲はほとんどASKAが作詞作曲していることから、「Chageが『5:5』を要求したのが本当なら、適正とは思えない」として、二人の間に歪みを生んだ原因がChageの側にあるとするASKAの主張に理解を示すファンもいる。
別々の道を進み始めたチャゲアス。今後、どのような姿をファンに見せるのだろうか。
(文=編集部)