自宅に合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、11月16日に麻薬取締法違反容疑で警視庁組織犯罪対策部第5課に逮捕された女優・沢尻エリカ容疑者。実力派女優の逮捕に芸能界では大激震が走っており、来年放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』にも多大な影響が及ぶ状況になっているようだ。

 11月18日付「SANSPO.COM」記事では、複数の関係者の話として「『麒麟がくる』は、代役を立てて撮り直す方向で調整中」と報じている。同ドラマは来年1月5日スタートの予定で、すでに10話まで収録済みだという。また、沢尻容疑者は主要キャストとして織田信長の正妻・濃姫役を演じているため、再撮影には時間が足りず「最悪、放送を延期する可能性もある」とも言及している。

 沢尻容疑者の逮捕をめぐって、作家・高橋源一郎氏はツイッターで代役候補を推測している。「若手」「華がある」「演技がうまい」「主役もできる」「しかもスケジュール空いてそう」という5つの条件を列挙した上で、「『のん』さんしかいないんじゃないの?」と女優・のんの名前を挙げた。

 同じようにネット上でも“代役探し”が過熱しており、「織田信長の正妻となると、演技力を重要視してほしい。

希望としては黒木華、蒼井優かな」「実力でいえば大河主演経験もある宮崎あおいしかいないと思う」「剛力彩芽、スケジュール空いているのでは」といった声が寄せられている。

 また、11月18日付「日刊ゲンダイDIGITAL」記事では、芸能評論家の佐々木博之氏のコメントとして、橋本愛、菜々緒、二階堂ふみ、乃木坂46・白石麻衣の名前が挙げられている。しかしながら、「いずれも帯に短したすきに長しといった印象です。代役選考は難航しそうです」とも述べており、一筋縄ではいかなそうだ。

 今回の騒動であらためて名前が取り沙汰されているのが、今年3月に麻薬取締法違反の疑いで逮捕された電気グルーヴのピエール瀧だ。瀧は今年のNHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』に足袋職人役で出演中に逮捕されたため、代役として俳優・三宅弘城が起用され、現在も放送が続いている。

 ちなみに、『いだてん』は出演者の1人であるチュートリアル・徳井義実が合計1億3800万円の所得隠しおよび申告漏れの問題で芸能活動を自粛したことを受け、異例の再編集で放送されたことが話題になったばかりだ。今回、沢尻容疑者が逮捕されたことで、NHK大河ドラマにとっては2作品連続の受難となった。

 出演者の逮捕で再撮影を余儀なくされた作品は多く、2016年8月に俳優・高畑裕太が性的暴行の疑いで逮捕された際にも多くの影響を与えている。高畑が逮捕された当時は、出演映画『青の帰り道』の撮影が進行中だった。出演者の不祥事とあって撮影は中止になったが、のちに俳優・戸塚純貴を起用して公開に至っている。

 一方で、高畑の逮捕前に撮影が終了していたのは、『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~』。

同ドラマは急遽代役にNEWS・小山慶一郎を起用して再撮影を敢行し、放送に間に合わせている。

 なお、『麒麟がくる』の対応については「そのまま放送」を望む声も上がり始めている。いずれもツイッターで、社会学者・古市憲寿氏が「別に普通に放送すればいいのにね」、元女優・高樹沙耶氏が「私は沢尻さんの大河ドラマを見たいと思う」、女優・東ちづるが「予定通の放映を望みます。必要なのは、本人の依存症の治療と、私たちの違法薬物の有害性と依存症の正しい知識です」と述べているのだ。

 沢尻容疑者逮捕の影響はどこまで広がるのか。来年の『麒麟がくる』放送時には、あらためて大きな注目が集まりそうだ。

(文=編集部)