内閣総理大臣主催の「桜を見る会」の波紋は拡大する一方だ。安倍晋三首相は20日、自身の後援会関係者が「桜を見る会」に多数出席していた問題について釈明に追われた。
安倍首相は20日午前、参議院本会議で、「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった。これまでの運用については大いに反省すべきだった。今後、私自身の責任において、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するとともに予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行っていく」と釈明した。
安倍首相主催による「桜を見る会」は2013年4月から毎年開催されてきた。出席者は7年間で計約11万人。この7年間で、昭恵氏つながりによる招待も複数人確認できた。
昭恵さんは上記の事業に関わっていたほか、14年7月に講座型スクール「UZUの学校」を主宰した。49歳までの女性を受講生として集め、自ら校長を務めた。
スクールの関係者は次のように話す。
「内閣総理大臣名の招待状が突然来て、呼ばれた側も驚いたみたいです。なんで総理が私の住所を知っているんだろうと。きっと、昭恵さんが呼んでくれたんだと。いろいろ批判はあるようですけど、招待された当人は喜んでいました」
「首相夫人とのつながり」悪用の懸念いきなりなんの前触れもなく、首相から招待状がくれば誰しも驚くだろう。スクールそのものは、根幹に据えているテーマも社会的に意義のあるものだし、各界のトップランナーに話を聞き、理解を深めることは良いことだ。一方で、全国紙記者は次のように懸念する。
「居酒屋『UZU』などを通じ、安倍昭恵さんが交流している人間の中には、良くない噂のある人物も複数います。当人に悪気がなく人脈を広げていても、いろんな人が寄ってきますからね。昭恵さんはアメリカのオバマ前大統領夫人のミシェルさんを意識して社会的貢献活動を活発化させているのですが、とにかく空転している感は否めません。
昭恵さんは『桜を見る会』を盛り上げようとしていました。そのため、ご自分の招待枠を首相や内閣府に要求された可能性があります。いずれにしても、私人である昭恵さんが『桜を見る会』の招待枠を持つことになった経緯は、今後明らかにすべきでしょう。
『桜を見る会』に出席し、昭恵さんと一緒に写真を撮ることは大きな社会的な信用になります。一方で、『首相夫人の知り合い』という肩書きを悪用しようとする人間がいるのも事実で、昭恵さんの招待枠を首相や内閣官房やチェックしていたのか疑問です。
森友学園問題以来、首相や周囲も昭恵さんに自重するように言っていると思うのですが、根っからのパーティー好きな性格はどうしようもないようです」
昭恵氏は安倍政権下で生じた数々の疑惑の中に、毎回といっていいほど登場する。当人に悪気がなかったにせよ、社会に与えた衝撃はいずれも大きかった。いつか大けがをしないといいのだが。
(文=編集部)