昨年から今年にかけて、UUUMやVAZといったYouTube界の大手事務所から大物ユーチューバーが続々と退所し、その流れはいまだに途絶えていない。事務所を退所したユーチューバーの多くは“円満退所”であることをアピールしているが、退所を決めるもっとも大きな要因は、事務所が徴収するマージンが多すぎることにあると、業界関係者の多くが口をそろえて指摘する。
だが、VAZの場合はマージンの問題だけではないようだ。
「VAZは昨年、禁断ボーイズが退所したのをはじめ、かす、ゆん、きぬ、スカイピース、まあたそといった人気ユーチューバーが続々と退所しています。VAZは、あるユーチューバーが報酬の未払いや社内でのイジメを告発して大騒ぎになったことがあります。また、かつてVAZの“顔”として活動していたヒカルが、『クソみたいな会社』と批判したこともあり、経営体質が昔から今に至るまで、かなりブラックなのではないかとみられているのです」(芸能記者)
そんななか、モデルとしても活躍し、若年層から人気が高いユーチューバー「ねお」の母親がブログでVAZの“裏側”を暴露して波紋を広げている。
ねおの母親は、ねおがVAZを退所したいとの意向を何度も事務所に伝えているものの、認められていないことを明らかにした。退所したい理由として、報酬が不当に低い、マネージャーの現場放棄、嫌がらせ、仕事内容が共有されないことなどを挙げている。
数千万円の利益を出しているにもかかわらず、月額30万円程度しかもらえなかったり、契約書に記載のない案件に関して「年間数千万円ほどのお金が取られている」と具体的な金額を挙げて説明。ねおのYouTubeアカウントそのものも、「収益が見えないようにするため」に経営陣が管理して、ねお本人が触れない状況だったという。
そして退所の交渉についても、「ねお」という名前もVAZの権利だと契約書に入っているため、「契約満了まで動くことができない」「ねおの活動自体が長い間止まってしまう」との懸念を示す。さらに、「その契約満了の時期についても、正確な日を教えてもらえない」「締結していない契約書が出てくる」などと不信感を募らせている。
一方のVAZは、このブログの内容を「事実と異なる」と否定し、「顧問弁護士と相談の上、厳正に対処」するとの意向を示した。
この騒動を受けてヒカルはTwitterで、こうコメント。
「毎回何かあるたびに文字だけでそれっぽいこと書くけど、俺が事務所にいた頃から何も変わってないし変わらなかったからたくさんのクリエイターがやめて今こんなことになってる。仕事の面でこんなことありすぎて何一つ響かない(まあ俺も素行とか褒められた人間ではないけど) ねおちゃんを応援したい」
VAZに対する不信感をあらわにし、ねおを支持する姿勢を打ち出した。さらに、自身のYouTube動画内で、続々とクリエイターが辞める理由を「ヤバいから辞めるわけ」だと持論を述べ、「想像以上にねおちゃんの件は闇が深い」と語った。
また、VAZの対応についても、「全部言い訳にしか聞こえない」「社長が表立って言えよ」と批判。「VAZが嫌いじゃないけど、VAZの経営陣、そして社長。あの辺が全部嫌い」と嫌悪感をむき出しにした。
母親の暴露以降、騒動について沈黙を守っていたねおが9月1日、約1カ月ぶりに動画を更新。『お騒がせしてしまった件について』と題した動画だったが、騒動について詳細は語らず、「ここまでになると思ってなかった」と心境を明かし、「今までのチームとまた別で、あらためて“ねおチーム”をつくった」と述べ、VAZから離れて新チームを結成した様子をうかがわせた。
いまだにVAZの公式サイト上では、ねおが所属クリエイターとして紹介されているが、どのような結末を迎えるのだろうか。
(文=編集部)