【大麻取締法】
第3条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
第24条の2 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

 1948(昭和23)年に制定された大麻取締法(その後何度も改正されている)の規定するところにより、日本において大麻所持は犯罪である。上記の通り、違反すれば刑事罰の対象となる。

伊勢谷友介本人も容疑を認めたとの報道が

 俳優・伊勢谷友介(44)が9月8日夕方、乾燥大麻を所持していたとして、大麻取締法違反の容疑で現行犯逮捕された。NHKの報道によれば、9日になって伊勢谷は容疑を認め、「この大麻は自分が吸うために持っていたものです。大麻は、日本では法に触れることは理解しています」と供述しているという。

 テレビドラマや映画への出演、そして社会事業への取り組みなどで大活躍中のイケメン俳優の逮捕とあって、SNS上でも多くの意見が飛び交っている。特に大麻は、背景や内実に差はあれど一部の国家で合法化されていることもあり、「日本でも解禁すべきだ」といった過激な意見をとなえる者も多い。

元女優の高樹沙耶は、やはり独自の主張を展開

 案の定というべきか、この人のツイートは、今回も注目を集めた。元女優の高樹沙耶だ。

 9日、高樹沙耶は、Twitterを更新。投稿されたのは以下の文章であった。

「日本人はいったいどういう人生を過ごしたいのだろう? 私は快適な環境で、出来るだけ健康を維持し、ストレスフリーで生きていたい。

それを追求し続け今に至る。カナビス【編集註:大麻】はその必要な一つ。多分話題の彼も同じ気がする」

 伊勢谷本人の名前こそ出ていないものの、タイミング的にそれを踏まえての投稿なのは明白。この投稿の返信欄では、肯定派と否定派が争っているような状態だ。

2ちゃんねる創設者のひろゆきはアメリカ・カナダの現状に言及

 9日には、2ちゃんねるの創設者として知られるひろゆきも、Twitterで以下のように投稿。

「『法律違反だから良くない』という前提は当然として、大麻ぐらいで逮捕された役者の作品が見られなくなるは、本人以外への理不尽なダメージが大きすぎると思うおいらです」(原文ママ)

 つまり、伊勢谷の逮捕によって彼が出演した作品が“封印”されるのは問題ではないか、というわけだ。さらに以下の投稿も。

「アメリカやカナダは大麻を販売してる会社が上場して経済を回してるのにね」

 しかしここでいう「上場企業」とは、あくまでも医療用大麻も製造している製薬会社が中心であるということには留意が必要であろう。

8年前の伊勢谷友介本人の投稿も話題に

 今回の件では、伊勢谷が2012年2月にTwitterに投稿した文章が、あらためて注目を集めた。

「大麻で人生崩壊するのは難しいと思うけどな。それならお酒の方が簡単だ」

 伊勢谷の逮捕に関しては「意外ではなかった」という声も多く、「この頃からやってたのかな」という声もネット上に見られた。

弁護士やモーリー・ロバートソン、裕木奈江は“問題提起”

 上述した高樹沙耶ほどエキセントリックな印象はなくとも、著名人のなかには、立場は違えど“大麻肯定派”も多い。

 弁護士の亀石倫子は8日、Twitterで以下のように投稿。

「いつまでこんなこと続けるんだろうな。もちろん伊勢谷さんのことじゃない。日本の大麻取締法、そろそろ見直しませんか」

 日本の大麻取締法は立て付けが極端であり、医療用大麻は諸外国と同様に解禁し、必要な患者にその効用が届けられるべきである……といった主張を以前から繰り返している亀石弁護士ならではの意見であろう。

 米国籍を持つタレントのモーリー・ロバートソンも、9日に以下を投稿。

「ただの『魔女狩り』をくりかえしても意味がない。ちゃんとまじめに議論したいところです。」

 芸能界では、女優の裕木奈江が同じく9日に以下のように投稿した。

「大麻に関してはアメリカで合法化され近所にお店ができ、セレブがビジネスにするのを目の前で見てきたので転換期にあるのかなと」

 以上三氏に共通するのは、大麻取締法そのもののあり方についてもう少し議論すべきではないか、という主張だろう。

あゆの元交際相手、内山麿我の“挑発的”な意見

 こうした、ある意味において“硬派な”主張とは別に、高樹が発したような過激な意見を述べてしまう向きも、芸能界、そして音楽業界にはやはり多いようだ。

 歌手・浜崎あゆみの元交際相手として知られる内山麿我は9日、自身のブログを更新した。「大麻ねぇ」とのタイトルが付けられたこの投稿では、以下のような持論が展開された。

「伊勢谷友介さん、大麻所持で逮捕 とか 書かれるとすげー悪いことした感じだけど 別に大麻くらいよくない? いつまでやってんの?って感じ」「マリファナより、ストロングゼロの方がよっぽど危ないと思うよ」「俺はマリファナやらないけど、そろそろ法律変えてもいいんじゃぃ?って思う。

マリファナ食ったことある警察官もいるでしょーよ」

「真面目に議論してもよいのではないか」という問題提起型の声がある一方で、高樹や内山のように、あえて挑発的に書いてみせているような投稿は、やはり一般人の感覚から共感しがたいというところはあるだろう。

 実際のところ、こうした意見に同調する世間の声は、驚くほど少ないようである。

(文=編集部)

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