11月24日、経団連の中西宏明会長の会見が中止となった。経団連事務局は「治療のスケジュールの都合がつかず、オンラインでの開催も難しい」と説明した。
水面下で進められてきた“ポスト中西”の人選が、にわかに騒がしくなってきた。パナソニックが9年ぶりにトップが交代する。来年6月、津賀一宏氏が社長を退き、会長になる。津賀氏は財界活動から距離を置いてきた。まったく関心がないし、面倒だから嫌、というタイプ。ただ、経団連副会長のオファーがたびたびあった。
会長になって、来年、経団連の副会長を受けることがあるのかどうか。自社のビジネスにプラスと判断すれば可能性はないことはないが、低いだろう。パナソニックは持ち株会社体制に移行するので、会長となる津賀氏は、M&Aなど投資等には現役で関わるつもりだろう。そうなると財界活動なんてやっていられない、という話にもなる。
それに経団連副会長を受けたら、大阪万博への寄付金増額を求められそうなので、それも嫌だろう。今は、三井住友銀行や東レに任せて「ウチ(パナ)は門真市だから」と言って大阪万博から逃げている。
もうひとつの注目は豊田章男氏がどうするかだ。もともと財界嫌いだが、若くして社長になったので(53歳)、財界の重鎮らにペコペコするのが嫌だった。しかし、もう64歳。中心にデーンと構えていられる年齢になった。トヨタ自動車は章男氏の息子へのバトンタッチが現実味を帯びてきている。一旦、番頭に付いて社長業を学ばせるだろうから、そのタイミングが近くやってくる。
一部報道で、銀行(三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行執行役会長)が経団連の会長候補という話があったらしい。闘病中の中西会長が任期を1年残して、来年退くかどうかにかかっている。「本人は続投のつもりだ」(中西氏の周辺)とも伝わってくる。
銀行や総合商社は「裏方」としてやってきたので、普通なら経団連会長はない。
年末年始の経済・産業界のトップ人事の先頭を“ポスト中西”が走るのか。
(文=有森隆/ジャーナリスト)

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