大地震や台風、ゲリラ豪雨など、大規模な災害に見舞われ続けている日本列島。もしも今、災害が発生したら――、あなたは、愛するペットを守るためにどのような行動を取るでしょうか。
環境省は、「人とペットの災害対策ガイドライン」で飼い主の避難が必要な場合におけるペットとの同行避難を推奨しています。ただ、同行避難をするには、しつけや健康管理、ペット防災グッズの準備など、日頃の備えが欠かせません。そもそも同行避難って? 正しく理解できていないかも? と思った人でも大丈夫。今からでも遅くはありません。最低限備えるべきポイントをまとめてみました。
そもそも同行避難とはアイペット損害保険が2月に実施したペットのための防災対策に関する調査によると、「災害時ペットは飼い主との『同行避難』が原則とされていることを知っているか」の問いに対して、8割以上が「知らない」と回答しています。特に猫飼育者では、9割近くが「知らない」と答えています。室内飼いが推奨される猫の避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高い可能性も指摘しています。環境省が自治体に対して同行避難を推奨する一方で、そもそも同行避難を知らない飼い主も一定数いるのが現実のようです。
同行避難とは、ペットと一緒に避難する行動を示す言葉です。必ずしもペットと同じ部屋で避難できることを約束するものではありません。
スマートフォンにペットの写真をいっぱい保存しているという飼い主は多いことでしょう。そこから顔のアップと全身が写っている2種類を選びます。写真と併せてワクチン接種や既往症、マイクロチップ、さらには飼い主の名前や連絡先、かかりつけの動物病院名などの情報を1枚の用紙にまとめおきましょう。用紙は防災グッズと一緒に入れておくことをお薦めします。避難所での受け入れが円滑に進みますし、仮にスマートフォンの充電がなくなってしまったという事態に陥っても対応できます。万が一ペットとはぐれてしまった時には、迷子用チラシとしての役割も期待できます。
防災グッズの目安は1週間避難所に行けばペット用の救援物資はあるだろう、という油断は禁物です。
さらに余裕があれば、あったら便利なペット用品も加えておきます。タオルやブラシ、ウェットタオル、清浄綿などです。その他、ガムテープやマジックもあると便利です。ケージの補修や段ボールを用いたハウス作り、動物情報を掲示したい時など幅広い目的で使用できます。また、猫の場合は、洗濯ネットが屋外診療や保護の際に役立つこともあります。
過去に発生した災害で設置された避難所では、「ペットフードの支援がしばらくなかった」「避難所で犬が吠えて迷惑をかけるため、やむを得ず車中での避難になった」「他人や他人の場所、他の動物に慣れないため、どこにも預けることができず苦労した」といった被災者の声がありました。それらの問題を解決する鍵は日頃の備えしかありません。
参考資料:災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>
(文=編集部)