8月に女性への性加害・暴行が発覚した俳優の香川照之。その被害者である銀座クラブの元ママが27日発売の「週刊新潮」(新潮社)の取材に応じ、騒動後に弁護士を通じて香川に謝罪を求めたが拒否されたと告白。
香川の悪行が発覚したのは8月のことだった。同月24日発売の「新潮」が、香川が2019年に銀座のクラブを訪れた際にホステスに性加害を行い、同店元ママがホステスから損害賠償を求めて訴訟を起こされていたと報道。さらに9月1日発売の「新潮」が、香川が元ママに髪の毛を掴むなどの暴行をはたらいていたと伝えると、トヨタ自動車やサントリーなどが一斉に香川が出演するCMの放送見合わせや契約満了を発表。さらに香川がMCを務めていた朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)が降板を正式に発表し、NHKも香川がプロデュースと声優を担当するアニメ番組『インセクトランド』(Eテレ)の次回以降の放送中止と『香川照之の昆虫すごいぜ!』(同)の終了を発表。さらには10月期の連続テレビドラマ『アトムの童』(TBS系)も降板するなど活動休止に入っていた。
だが、そんな「謹慎期間」はあっという間に終わる。今月6日からは十三代目市川團十郎白猿襲名披露の歌舞伎座「十二月大歌舞伎」に歌舞伎俳優・市川中車として出演し、来年の團十郎の地上巡業にも出演するとみられ、それ以降も歌舞伎の舞台でキャスティングの話が持ち上がってるという報道も出ている。
「香川は10月にも團十郎襲名興行の『顔寄せ手打式』で公の場に姿を現しており、11月には主演映画『宮松と山下』も公開。12月に始まった團十郎襲名興行の稽古があったことも考えれば、活動休止期間は事実上『なかった』といえる」(週刊誌記者)
團十郎襲名興行で復帰の背景徐々に本格的な復帰に向けて動き出したかにみえた香川に冷水を浴びせる格好となった今回の『新潮』報道だが、テレビ局関係者はいう。
「『THE TIME,』のVTRでも神妙な面持ちで謝罪の言葉を並べていたが、『新潮』記事に掲載されている、謝罪を求める元ママに対して香川サイドが送った文書を読むと、元ママを非難するかのような文言もみられ、本人がまるで反省していない様子がうかがえる。
また、香川が團十郎襲名興行で復帰を果たした背景について、歌舞伎に詳しい週刊誌記者はいう。
「香川の実父は歌舞伎界の大御所で澤瀉屋(おもだかや)を率いる二代目市川猿翁だが、香川が1歳のときに猿翁は愛人と暮らすために家を出て、香川の母で女優の浜木綿子と離婚し、一般家庭の子として育てられた。俳優として成功した香川は2012年に市川中車として歌舞伎の初舞台を踏んだが、40歳を越えての歌舞伎デビューという異例中の異例のことが認められたのは、澤瀉屋が抱える事情も影響していた。
猿翁の弟、四代目市川段四郎にはテレビドラマにも出演する人気俳優の市川猿之助がおり、香川のいとこだが、猿之助は独身で子どもがいない。一方、香川には前妻との間に男の子がおり、もし香川、そして子どもが歌舞伎の世界に入れば、澤瀉屋は直系の下の代に継がれることになる。実際に香川の長男は香川と同じ年に初舞台を踏み、現在も市川團子として活躍しており、澤瀉屋の跡継ぎ問題はひとまず落ち着いた。
今回の團十郎襲名興行には猿之助も出演しているが、猿之助、そして市川宗家の團十郎らが香川の復帰を望んだというのは容易に想像できるし、歌舞伎の世界の常識に照らせば香川が出るのは自然な流れともいえる」
香川の復帰を、被害者である元ママはどのようにみているのだろうか。
(文=Business Journal編集部)