タレントの上沼恵美子は30日放送のバラエティ番組『アウト×デラックス2022 禁断の復活 レジェンド大集合SP』(フジテレビ系)に出演し、2年前の突然の『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ<カンテレ>)打ち切り騒動に言及。「妙な辞めさせられ方をさせられた」「あんな追い出し方はないと思いますよ」などと公然と批判を展開し、怒りを爆発させた。
25年続いていた上沼が司会を務める『えみちゃんねる』をめぐるゴタゴタが表面化したのは、2020年6月のことだった。上沼は『えみちゃんねる』とラジオ番組『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)でキングコングの梶原雄太と共演していたが、同月放送の『こころ晴天』内で「梶原くんがね、『東京からしんどい』っていうことで、行ったり来たりが。忙しくなってきてるしね。YouTubeからなんから」と発言し、両番組は梶原の降板を発表。上沼は「女性セブン」(小学館)の直撃取材に応え、『えみちゃんねる』内での梶原について「梶原くんの返しがものすごく下手だったの」「全く役に立っていないとね。それで、吉本さんから辞めさせたいと申し出があった」と説明。「セブン」によれば、ある放送回の収録での2人のやりとりが「放送に耐えられない空気」になり、梶原のシーンがほとんど使われなかったという。
さらに事態は急転直下で動き、同年7月には『えみちゃんねる』の放送が終了。番組改編期ではないタイミングでの突然の打ち切りとあって、その理由についてさまざまな憶測が流れるなか、上沼の申し出を受けて本人と番組スタッフ側が番組方針について話し合ったところ、大きな意見の相違が生じたためとも報じられた。
上沼は21年発売の「文藝春秋」に寄せた手記で当時を振り返り、「『人間って本当に恐ろしい生き物やな』と改めて痛感させられた」「人を恨んだらあかんと頭では分かっていますが、いまでもやっぱり悔しいですね」と告白。さらに『こころ晴天』内でも
「ずっと2人でがんばってきた(『えみちゃんねる』の)プロデューサーが、最後はとてもここで言えないようなメールをいただきました。『こんなんあかんで、人間として』と思いました。
「あんな終わり方する? という感じ。人には礼儀とかマナーとか、やってはいけないことがあると思います」
と本音を吐露していた。「妙な辞めさせられ方をさせられた」
そして今回の『アウト×デラックス』では、「この3年ぐらいコロナもあったんですけど、時が止まりました」「私のほうの出番というか、『おばちゃん、あんたはもう終わりましたよ、上沼さん』って言われた1年だったんです」という話の流れで、話題は『えみちゃんねる』降板の件に移り、次のようにカンテレへの怒りを爆発させた。
「25年続いた『えみちゃんねる』とか、これも妙な辞めさせられ方をさせられたんですね。カンテレやったんですけど、すごい言いにくいんですけど」
「カンテレから『社長賞』『高視聴率女性司会者』のクリスタルのトロフィーを2ついただきまして、飾ってはないけど、そのへんにあったのを『あーっ』て思って、それを勝手口に持って行って、ドーンとカチ割ったんですよ」
「四半世紀、25年、看板番組でやってきた『えみちゃんねる』。あんな追い出し方はないと思いますよ」
これを受けスタジオのマツコ・デラックスと矢部浩之が大きな笑い声をあげる一方、カンテレでレギュラー番組『土曜はナニする!?』を持つ山里亮太はバツが悪そうに苦笑いの表情を浮かべていたが、SNS上でも次のように驚きの声が広まっている。
<関テレ側から辞めさせられたんだー まぢビックリ>(原文ママ、以下同)
<上沼恵美子とか小倉智昭とか、今まで局でなが~く使われてた人がいきなりいらなくなって捨てられてるの見るとなんかなぁって思うところがある>
<カンテレにも流れてる番組でカンテレ批判。旦那さんの立場は…>
<フジテレビでカンテレをボロクソに言う上沼恵美子>
<残念だが仕事というものはどんなに理不尽でも発注者の一存>
<これだけの猛毒を吐いても面白さが勝ってるんだからやっぱり天才>
<上沼恵美子さんのしゃべくりにずっと圧倒されてた……凄まじかった>
テレビ局関係者はいう。
「『えみちゃんねる』は長寿番組で固定ファンも多く、視聴率も2桁台をキープしていたので、普通に考えれば打ち切りになる理由は何もない。コロナで収録も無観客になったりして、いろいろと勝手が違うことが重なり上沼のストレスが高まっていたところに梶原の騒動が起き、それをきっかけとして上沼とスタッフの間でお互いに解消できないほどの不満が一気に表面化してしまったということだろう。カンテレとしては、これを機にギャラの高い上沼を切りたかったという側面もあったのかもしれない。
だが、今回の『アウト×デラックス』での上沼のしゃべりもSNS上でなかなか評判のようだし、元日恒例の人気番組バラエティ『芸能人格付けチェック!』(テレビ朝日系/1月1日放送)にも出演するなど、徐々に在京キー局の全国放送の番組に出演する機会も増えつつあり、上沼自身が苦しかったと振り返る3年を経て、大阪を飛びだして全国区で再ブレイクしそうな感もある」
やはり「関西テレビ界の女帝」はしぶといようだ。
(文=Business Journal編集部)