昨年11月4日、ジャニーズ事務所の人気グループ・King&Prince(キンプリ)の分裂が発表された。平野紫耀、神宮寺勇太は今年5月にグループを脱退し、そのまま事務所からも退所。

2人と同じタイミングで脱退する岸優太も、同年秋には事務所を離れる。残る永瀬廉、高橋海人は事務所に残り、2人でキンプリを継続していく。

「先月31日放送の『第73回 NHK紅白歌合戦』にはジャニーズ事務所所属グループが6組登場したが、キンプリのパフォーマンスのレベルの高さは群を抜いていた。ジャニー(喜多川元社長)さんが『最高傑作』といい、メンバーが本気で世界進出を狙っていたという話も納得できる。分裂させるには本当に惜しいグループだと改めて実感した」(テレビ局関係者)

 キンプリファンは当然、悲しみに暮れているわけだが、脱退・退所が決まった3人について、一部では「事務所に追い込まれた」という報道も。昨年11月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、藤島ジュリー景子社長がキンプリの5人と面会した際に「あなたたちなんか私の手に負えないから知らない」と突き放したと報じたが、事務所側は「事実と全く異なる虚偽の内容を多々含む記事」だとして「法的措置を検討」するという姿勢を見せた。しかし、ネット上のキンプリファンの間ではその後も「事務所からの圧力」が心配されている。

 そんななか、先月発売の「文春」は平野や神宮寺、岸が今後、民放テレビ番組に出入り禁止状態となる可能性を伝えた。記事では、2016年末に解散したSMAPの元メンバーで17年9月にジャニーズを退所した稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が当初、地上波のテレビ番組から姿を消すことになった経緯などに触れつつ、平野、神宮寺、岸についても事務所を離れた後は民放番組への出演は難しいと伝えられている。

「ジャニーズは稲垣、草なぎ、香取の起用を制限する圧力をかけた場合は独占禁止法に触れるおそれがあるとして、19年7月に公正取引委員会から注意を受けた。以降、地上波でも再び彼らの活躍を見られるようになってきたものの、キー局側の慎重な姿勢はなかなか崩れていない印象。草なぎは1月期の『罠の戦争』(フジテレビ系)で主演するが、ジャニーズを離れてから5年以上経って、やっとの民放連続テレビドラマ主演となる」(スポーツ紙記者)

赤西仁と錦戸亮も民放キー局出演は厳しく

 そのほかの「辞めジャニーズ」たちも、民放キー局の番組への出演には苦戦している様子。

たとえば、元KAT-TUN・赤西仁(14年2月退所)と元関ジャニ∞・錦戸亮(19年9月退所)は昨年7月、出演するシューズブランド「NINE ADDICTION」のCMが地上波で流れ、元NEWS・手越祐也(20年6月退所)は今年1月にテレビ愛知の深夜番組『黒ちゃんねる』にビデオメッセージというかたちで出演したが、彼らもやはり民放キー局の番組には出られていない。

 一方、元ジャニーズのなかでは成功例に入るであろう山下智久(20年10月退所)は、昨年4月期の連ドラ『正直不動産』(NHK)で主演して話題になったが、それでも民放キー局の番組に出演することは厳しい模様。21年4月期のTBS系ドラマ『ドラゴン桜』最終回では、第1シリーズに出演していた面々が登場したなか、山下は声のみでしか出られなかった。

「錦戸と同じく関ジャニ∞の元メンバー・渋谷すばる(18年12月退所)は、メンバー同席で脱退・退所会見が開かれ、グループの冠番組では最後のお見送り的な演出もあった。その後、錦戸の退所時にはそういった対応が取られることはなかったため、『渋谷=円満退所』のイメージもあったが、そんな渋谷でさえ退所後、民放キー局には出ていない。そうなると、ジュリー社長との衝突がささやかれている平野、神宮寺、岸は確かにもっと難しいかもしれない。圧力というより、キー局側がジャニーズに忖度することかが背景にある」(週刊誌記者)

能年玲奈、西内まりやの例も

 ジャニーズに限らず芸能界では、事務所からの独立問題が後の活動に影響しているように見えるタレントは珍しくない。15年にレプロエンタテインメントからの独立騒動が報じられ、16年に「のん」へと改名した女優・能年玲奈もそうだ。最近は映画やCMなどで再び活躍できるようになったが、民放キー局のドラマの仕事は14年4月放送の『世にも奇妙な物語 2014年 春の特別編』(フジテレビ系)内「空想少女」での主演が最後となっている。

 また、モデルなど幅広い活動をしていた西内まりやは、17年発売の「文春」で事務所トラブルを報じられ、当時所属していたライジングプロダクションを18年3月に退所。それまでは歌手や女優業も展開し、時にはネット上で「事務所のゴリ押し」といわれるほど露出の多かった西内だが、最近はNetflixドラマ『全裸監督』(21年6月配信開始)の出演が話題になったくらいで、やはり地上波では見かけなくなっている。

「キンプリの脱退・退所組は海外での活動を視野に入れているとのことなので、民放キー局が云々ということはあまり重視していない可能性もある。

ただ、そう簡単に海外で活躍できるわけではないので、やはり日本のテレビ局との関係についても考えておいたほうが良いのでは」(週刊誌記者)

 ちなみに、先月18日にはスポニチアネックスが、キンプリを脱退する3人のなかに「すでに親族が会社を立ち上げているメンバー」がいると報じていたが、彼らの今後の活動が気になるところである。

(文=Business Journal編集部)

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