年を重ねるごとに深みと色気が滲み出るオーバー40のおじさん俳優たちが今、若い女性たちにウケている。「おじさんなのにセクシー」「おじさんなのに男を感じる」「おじさんなのにかわいい」……など、おじさん“なのに”がポイントだ。



 筆頭は「花子とアン」で仲間由紀恵演じる葉山蓮子の夫・嘉納伝助を演じた吉田鋼太郎だ。豪快で無骨、しかし一途に蓮子を思う健気な役柄も相まって、遅咲きブレークを果たした。

「“伝助萌え”なる言葉まで広まりました。ほかの男と駆け落ちし、その男の子を身ごもった蓮子に対し、『金額は好きなだけ自分で書け』『蓮子の出産祝いじゃ』と言い残し、去っていく姿に大人の男の美学を感じました。なんといっても、離婚後に二人が別れる時に蓮子をそっと抱き寄せて額に口づけをする姿に胸がキュンとなる女子が続出しました。あれは吉田のアドリブだったといわれています」(女性誌関係者)

“ダンディズム”という言葉が似合う大の大人が少年ぽさを演出する。そのギャップが受け入れられたようだ。

 日清カップヌードル(日清食品)のテレビCMで、「壁ドン」を披露した志賀廣太郎もその一人だ。彼の場合は、低い声と落ち着いた佇まいである“枯れ感”が女性に安心感を与えているという。

「働いている女性は疲れています。同世代だと、どうしても気取らないといけないが、おじさんなら遠慮しなくていい気軽さがある。ガツガツしていない感じが、反対にエロいのです。
ある雑誌の企画で、俳優の遠藤憲一や小日向文世が思い思いに壁ドンを演じたところ、想像以上に好評だったようで、熟年俳優の人気ぶりがうかがえます」(同)

 そして外せないのが、「皺で演技している」といわれている松重豊だ。テレビドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)は、松重が一人で食を堪能しながら、その味を表情や皺で表現しているのだ。

「“草食男子”の言葉に代表されるように、女性は今の時代の若い男性に男気を感じることができなくなっています。女性の力や権利が強くなったともいえますが、それでも内心では引っ張ってくれる男に憧れるものなのです」(同)

 ドラマ内で描かれているおじさん俳優たちの姿が、現代女性が求めている男性像に重なるのだろうか。ほかにも、田中哲司や大杉漣などの魅力あるおじさん俳優たちが大活躍している。若い女性にとっては理想と嗜好に合ったおじさん俳優と妄想しているときが一番幸せなのかもしれない。
(文=編集部)

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