累計発行部数5,000万部の“少女漫画の金字塔”ともいわれる、美内すずえの国民的少女漫画『ガラスの仮面』(白泉社)。その連載40周年を記念した「ガラスの仮面展」が8月23日より東京・銀座で開催中だが、そのオープニングセレモニーに美内氏が出席し、作品の秘話などをトークしていたという。



「美内氏は作品の主人公・北島マヤのモデルが、幼少の頃に観たという映画『王将』で描かれた棋士・坂田三吉と明かしていました。普段はダメダメだけどひtpつのことに突出した才能を見せる姿に感銘を受けたのだとか。さらに、美内氏は『ガラスの仮面』の最終回についても言及し、『ラストは20年以上前から、最終ページの構図まで決まっています。なぜそこまで行き着かないの? というのが問題で』と苦笑いしながら語っていました。展示会・会場内のVTRでも『決してラストを諦めたわけではありません。私も元気で頑張って描きます。
良い結末になると思います』とコメントするなど、まだ描き続ける意欲はあるみたいです」(ワイドショー関係者)

 1976年から連載は開始され、40年以上にも渡って壮大なストーリーを展開してきた『ガラスの仮面』。最終回まで描ききるという美内氏のコメントに、ファンも大喜び!……と思いきや、ネット上では怒りの声が意外と散見されるようだ。

「長期休載も多く、40年以上も連載してきて発行された単行本はわずか49冊。ネット上では『ラストまで読めずにすでに亡くなったファンがいることを考えていないのかな』といった声や、『高校生だった母は50歳を超え、小学生だった私も20歳を超えました』『ついてきてほしいなら描いてくれ』といった、呆れと切望が入り混じった声が多く出ているようです」(サブカル誌ライター)

 物語がなかなか進まないうえに、体調を慮ってのこととはいえ、最後に単行本が発行されたのは2012年10月と、もう5年も前のこととなる。美内も今年で66歳となっただけに、「イベントを開催したり、それにコメントする暇があるのなら、執筆に集中してなんとか物語を完結させてほしい」というところがファンの本音といえそう。

「ご長寿連載漫画といえば、昨年にはコミックスの発行巻数が多い単一シリーズとしてギネス記録となった『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(作:秋本治/集英社)が昨年秋に連載終了、そしてつい先日も73年から連載が続いている『浮浪雲』(作:ジョージ秋山/小学館)も、9月で連載を終了する予定であることが発表され話題となりました。
この2作品は基本的には1話完結スタイルですから、物語を畳むのもストーリー漫画よりは比較的簡単だと思います。美内氏は14年にテレビの情報番組に出演した際に『8合目ぐらいまではきた』と発言していますが、実際“最終回”に至るまでどれぐらいの行程が残っているのか。50巻の発売予定も明らかにされておらず、読者たちが最終回まで美内氏や自分が健康を保てるのか、不安になるのもしょうがないですよね」(前出のサブカル誌ライター)

 なお、ご長寿漫画で “最終回が決まっている”と公言している有名作に『ゴルゴ13』(作:さいとう・たかを/リイド社)や『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎/集英社)などがある。『ゴルゴ13』は68年から約半世紀にわたって連載中と『浮浪雲』や『ガラスの仮面』を凌ぐ超長期連載作品だが、基本的には2~4話で1エピソード完結となるというスタイルがとられているだけに、最終回の掲載にも支障は多くはなさそう。一方、壮大なストーリー漫画である『ONE PIECE』は今年7月に連載20年を迎えたが、その物語の着地点はまだまだ読めないが、はたしてどんな展開が待っているのか。

 親から子へと受け継がれながら長期にわたって人気を維持する人気作たち。
一体いつ完結するのかとやきもきさせられるのも、楽しみかたのひとつなのかもしれない。ファン・原作者ともに体調に気をつけながら気長に楽しんでいきたいものだ。
(文=編集部)