9月に既婚のイケメン男性弁護士(34)の不倫疑惑が浮上した元民進党政調会長の山尾志桜里氏(43)ですが、今回の衆院選では意外にも自身の選挙区で善戦していると報じられています。私は不倫報道直後にこの件についてブログで記事を書いたところ、1000件を超えるシェアを受けたので、今回は「女性と年下男性の関係」について考えてみたいと思います。
まずはトラブル編からですが、年下男性との関係で大変なことになった筆頭は、タレントの矢口真里(2013年当時は30歳)でしょう。矢口は、3歳年下の俳優の夫がロケ出張中の自宅に5歳年下の男性モデルをお泊まりさせ、翌朝予定より早く帰宅した夫に見つかってしまい、別居から離婚となりました。一晩で大変なことになったことにある種の同情を禁じ得ませんが、自宅に連れ込んだといえば、過去に元二子山親方夫人の藤田紀子氏が18歳年下の青年医師を自宅に入れ不倫したと報じられ、世間を騒がせたこともありました。
現在は、年下男性が仕事のできる女性たちにモテる時代ですね。それはなにも不倫だけではありません。結婚でも、いわゆる「年上女房」が目立ちます。スポーツの世界には年上女房が多いといわれますが、有名なところでは、競馬の三浦皇成が12歳年上のほしのあきと、米大リーグのイチローが8歳年上の福島弓子アナウンサーと、田中将大は4歳年上の里田まいと結婚しています。
さらに、元モーニング娘。の安倍なつみは5歳年下のミュージカル界のプリンス・山崎育三郎と、女優の小雪は8歳年下の俳優の松山ケンイチと結婚しています。
年齢差だけでなく、結婚回数も多い女性が増えており、参議院議員の三原じゅん子氏の3度目の結婚相手は元公設秘書で24歳年下です。
ここまで名前を列挙すると圧巻ですが、さらに外国にも目を向けてみましょう。
30歳以上年下の恋人がいると公言している59歳のマドンナや、過去20歳年上の男性と結婚していたマライア・キャリーは11歳年下の男性と再婚しています。
●女性の魅力は「若さ」ではない
一昔前であれば年下男性と結婚すると彼の浮気が心配だと言われたものだが、今、彼女たちは年下男性の浮気を心配してはいません。心配しているのは逆に夫の側である。何を心配するかといえば、年上の妻から自分が飽きられて捨てられるのではないかと心配しているふしすらあります。なぜなら、彼女たちの魅力が「若さ」だけではないと一番よく知っているのが彼らだからだ。
実は私のまわりにも、年下の恋人や夫を持つ友人が多くいる。
17歳年下の男性と再婚した40代の女性弁護士、一回り年下の舞台俳優と結婚した女医、8歳年下のエリートビジネスマンと結婚した女性経営者。挙げるときりがないが、彼女らはそれぞれの業界において「美人」「仕事ができる」と形容される。
彼女たちに共通しているのは、相手の男性から幸せにしてもらおうと思っているのではなく、彼らを幸せにしてあげたいと望んでいる点だ。したがって、最初から完成された男性を求めてなどいないし、男性にぶら下がることはしない。
映画『マイ・フェア・レディ』では、花売り娘のイライザが言語学者ヒギンズ教授から言葉の訛りを直され社交界デビューまでさせる。最終的には、彼女はヒギンズ教授から離れていくが、それは教授が自分の理想に叶うよう彼女を育てた結果であって、今の時代に年下男性と交際・結婚する女性たちとの最大の違いがここにある。
一昔前に男性たちが自分の成功の証として女性を育てたのと異なり、女性たちは「彼が幸せになる」ためのサポートを惜しまない。さらに、年下の男性から少しでも支えてもらうことができれば心から喜ぶことができる。
逆に、これが年上男性と年下女性の組み合わせであれば、男性が支えるのは当然だと感じ、年上男性は年下女性を幸せにしてくれて当たり前だと、ただの「ぶら下がり女」になりかねない。いわゆる“女の傲慢さ”が若ければ若いほどあらわれる場合がある。
●男性を幸せにしてあげたいと願う
年上女性が年下男性から愛される理由は、「他のどの女性といるよりも私と一緒にいることが彼の幸せである」と信じているし、彼女らは常に努力しているからだ。加齢による劣化は誰よりも自分がわかっているからこそ、単なる若づくりではなく、自分自身のために努力を重ねている。
ある程度の年齢になると、若い頃のように自分の恋心に振り回されることなく仕事と恋愛や結婚が両立できるのも、彼女たちが長年仕事をしてきて培ってきた魅力的なスキルのひとつだ。彼が年下だからこそ、女であるというだけで傲慢にならないでいられる。
相手男性が年下だからこそ、素直に幸せにしてあげたいと心から信じて努力を重ねる。期待された年下男性は彼女の期待に応えようと努力する。その信頼と努力からあらわれる「人としてのかわいらしさ」に、年齢や性別の差はないといえる。
(文=池内ひろ美/家族問題評論家、八洲学園大学教授)