俳優・浅野忠信の父親である佐藤幸久容疑者が、6月30日に覚せい剤取締法違反(使用)容疑でまた逮捕された。報道によると、佐藤容疑者は29日夜に東京都町田市のコンビニエンスストアに若い女性と2人でいる際、大量の汗をかき、ろれつが回らない状態だったという。
その様子を不審に思った警察官が職務質問し、尿検査の結果、覚せい剤の陽性反応が出たため逮捕されたという。佐藤容疑者は、取り調べに対し「間違いない」と容疑を認めている。
佐藤容疑者といえば、昨年11月にも覚せい剤を使用した疑いで逮捕されている。当時は、浅野らが所属する芸能事務所アノレの代表取締役を務めていたため、「絶好調の事務所でいったい何が起きたのか」と芸能関係者を驚かせた(のちに辞任)。
今年3月に執行猶予付きの有罪判決を受けたが、公判では2000年に大麻取締法違反、08年に覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けていたことが明らかになった。裁判を傍聴したスポーツ紙記者は「父親とはいえ、前科のある人をよく社長にしておきましたよね。退任は当たり前ですが、家族を思うなら、初犯の時点で自ら退くべきでしょう」と首をかしげる。
心配されたのは、佐藤容疑者の次男である浅野の仕事への影響だった。当時、浅野は連続テレビドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)で主演を務めており、関係者によれば「現場でも、共演者やスタッフ一人ひとりに謝罪して回っていました」という。
その後、今年3月には「女性自身」(光文社)に「浅野忠信の母 名優育てた『型破り』子育て」という、母・順子さんにフォーカスした記事が掲載された。浅野と順子さんのインタビューを中心に、浅野の長女でモデル兼女優のSUMIREや、同じくアノレに所属する長男で俳優の佐藤緋美もそろい、和気あいあいとした家族写真が掲載された。テレビ局関係者は語る。
「あのタイミングで記事が掲載されたのは、世間や業界内の関係者に対して善良な家族をアピールする目的のためでしょう。ただ、佐藤容疑者の逮捕から数カ月後という時期ですから、彼の話を完全に避けては通れない。そんな状況で、記事内では順子さんも浅野さんも佐藤容疑者のことを悪くは言っていないんです。世間にも佐藤容疑者にも、家族が一丸となっていることをアピールしたかったのでしょう」
記事内では、こんなエピソードも明かされている。かつて佐藤容疑者は俳優・石倉三郎の付き人をしていたことがあり、浅野のマネージャーとなってからは各所に頭を下げて営業して歩いていたという。当時を振り返り、順子さんは「頭が上がらない」と感謝と尊敬の念を語っている。
1996年のアノレ設立後、浅野の活躍が目覚ましくなればなるほど、家族の絆に亀裂が入っていったのかもしれない。石倉の付き人時代から佐藤容疑者を知る芸能事務所関係者は語る。
「あの浅野さんの家族の記事は、佐藤さんにとっては良くなかったな。覚せい剤は一度中毒になったらなかなか抜け出せないというけど、別れた妻と自分の息子や孫たちの円満な写真を見たら、余計に孤独感を覚えるだろうし、自分のふがいなさを感じたんじゃないかな。クソまじめで気が小さい人だから」
家族経営の事務所だっただけに一家のイメージアップを狙ったのかもしれないが、佐藤容疑者の再逮捕にはむなしさしか残らない。
(文=編集部)