芸能界の薬物汚染を印象づけた、歌手・酒井法子の覚せい剤使用事件。転落劇を経た酒井が11年ぶりに地上波で歌唱パフォーマンスを見せ、大きく注目を浴びている。



 酒井が出演したのは、3月27日放送の『THE カラオケバトルSP【あの大ヒット曲ご本人は何点出せるのか!?】』(テレビ東京系)。スタジオに登場した酒井は、司会の堺正章から心境を聞かれ、「地上波来たー! みたいな」と自虐的にコメント。それでも「私らしく歌おうと思って」と言う彼女は、ステージで手話を交えながらかつての大ヒット曲『碧いうさぎ』を披露した。

 酒井の地上波パフォーマンスは、2008年4月放送の『SONGS』(NHK)以来。09年には夫(当時)と共に覚せい剤取締法違反で逮捕され、同年に懲役1年6カ月・執行猶予3年の有罪判決を受けている。かつて「のりピー語」で人気を博し、ドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)など女としても活躍していた酒井の転落劇は、センセーションを巻き起こした。

 執行猶予期間中、介護士を目指して勉強に励んでいた酒井。執行猶予が明けると女優復帰を決め、12年11月の復帰会見では「私には守るべき者(息子)があると痛感し、大切な人を傷つけることがないようにしたい」と語った。また、復帰第1作目となった舞台『碧空の狂詩曲~お市の方外伝~』の稽古中には、番組企画で演出家・テリー伊藤と対談。テリーは「人間としても女優としても、ひと回り大きくなった」と評価し、エールを贈っている。

 酒井は13年10月、『さんまのまんま』(フジテレビ系)でバラエティ界にも復帰。16年には、16年ぶりとなるオフィシャルコンサート「酒井法子 30th ANNIVERSARY CONCERT」を一夜限りで開催している。
トーク場面では集まったファンに感謝を伝え、「ちょっと遅くなったけど、ただいま。本当に幸せ者です」と挨拶した。

 11年ぶりの地上波パフォーマンスが披露されると、インターネット上では「やっぱり素敵な人だなと思う。がんばってほしい」「再犯もないし、そろそろ許してあげていいのでは?」と応援する声が上がった。その一方で、「曲そのものに罪はないけど、よくテレビに出てこられるなと思う」「捕まるのが怖くて一時逃亡したでしょ? そんな人を応援できない」など、依然として厳しい目も向けられている。

 また、酒井の復帰を見て、ASKAピエール瀧など、薬物使用によって逮捕された芸能人たちもいずれ戻ってくるのではないかと見る向きも多く、「薬物に甘い芸能界」と批判する声も上がっている。

 酒井は更生の道を進んでいるとはいえ、手放しで歓迎される日が来るかは未知といえる。
(文=編集部)

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