中条あやみ水川あさみのW主演で放送中の連続テレビドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)が4月24日に第3話を迎え、平均視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。

 同ドラマは、天真爛漫で型破りな“元ヤン”の新米看護師・立花はるか(中条)と、はるかの指導係で“婚活中”の先輩看護師・三原夏美(水川)が、四季総合病院を舞台に仕事や恋に奮闘する姿を描く。

初回10.3%でスタートし、第2話の9.3%から、第3話は横ばいだった。

 今回は、はるかや同期の斎藤光(ジャニーズWEST小瀧望)が初めての夜勤に挑戦。張り切るはるかだったが、寝ている患者を起こしてしまったり、オバケが怖くて大騒ぎしてしまったりと、大失敗に終わった。その数日後、外科病棟に入院してきた中村加奈(財前直見)は、はるかだけでなく夏美の仕事ぶりにもダメ出しを連発。実は、加奈は外科医・柳楽圭一郎(安田顕)と顔見知りの元看護師だったのだ。

 しかし、検査の結果、加奈はステージ4の膵臓がんであることが判明。
日に日に弱っていく加奈を前にはるかは無力感を覚えていたが、夏美や柳楽を見習って笑顔で接するよう努める。そんななか、加奈に離れて暮らす息子・太一(白洲迅)がいると知ったはるかは彼を探し出す……という内容だった。

 はるかが太一を探し、加奈と引き合わせたのは、親子に“後悔”させたくないという一心から。2人の再会シーンには、インターネット上でも「ベタな展開だけど、こういうのはやっぱり泣けるね」「息子さん、お母さんに会えて本当に良かった」などと感動の声が寄せられていた。同作は、過去に放送されていた連ドラ『ナースのお仕事』シリーズ(フジテレビ系)と比較され、「つまらない」「『ナースのお仕事』のパクリじゃん」といった批判も多いのだが、第3話にして「今回は良い話だった」「やっと純粋に楽しめた」とのコメントが散見された。

 私も同様の意見で、今回の視聴を終えて「人間、いつ死ぬかわからないから、会いたい人にはどんどん会っておきたいな」とあらためて考えさせられるくらいには、心に響いたのだと思う。
今期、同じく医療現場を題材にした連ドラとしては、窪田正孝主演の『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(同)が注目を集めており、4月22日に放送された第3話の内容は乳がん患者の話で、ネット上で「勉強になった」「ちゃんと検診してもらおう」といった反響が上がっていた。

 そんな『ラジエーションハウス』は初回~第3話まで視聴率2ケタをキープ中。一方、『白衣の戦士!』は2週連続で1ケタとなってしまったが、私は第3話を見て「コメディ要素が邪魔をしているのでは?」と確信しつつある。中条に変顔をさせたり、古臭い音楽や演出で笑いを誘おうとしたりしなければ、きちんとした“医療モノ”として、もっと視聴者の興味を引けたのではないか。『ナースのお仕事』路線を目指せば「パクリ」と言われることは想定できたと思うのだが、どうしてそこまでコメディ要素にこだわったのだろう。

 そう思うと、今回“はるかが夜勤中にオバケ騒ぎを起こす”という部分も、まったくいらないエピソードだった。
特に重要な伏線ではなかったし、一応“斎藤との接近”を感じさせる場面ではあったけれど、大きな動きはナシ。その後の加奈&太一親子の話が良かっただけに、「夜勤のシーンはただのドタバタ演出だったなら、本当にいらなかったよね……」と残念に思った。

 ちなみに、加奈と太一が再会するくだりにも批判はあった。はるかが独断で太一を探し出し、加奈のもとへ連れてくるという流れだったため、「患者の同意ナシで家族に病状を伝えるなんて問題じゃない?」「個人情報の保護もされない病院とかヤバくない?」といった指摘だ。そういうところが“コメディだからユルい”のだとしたら、やはり残念である。
(文=美神サチコ/コラムニスト)