かつては、その高品質なブランドイメージで人気を博していたモスバーガー。しかし、2014年3月期から2018年3月期までは5年連続で客数が前年割れするなど、このところは業績不振で苦境に立たされているようだ。
その理由のひとつとして挙げられるのが、商品価格である。低価格をウリとするマクドナルドに対し、高価格のハンバーガーチェーンとして目立っていたモスバーガーだが、近頃はもっと高級なハンバーガー店が台頭しており、今となっては高くも安くもない中途半端な存在として埋もれてしまっているのだ。
また、さらに追い打ちをかけたのが、昨年8月に起きた食中毒問題だ。これにより客足が遠のいたことで、運営元であるモスフードサービスの2019年3月期通期の連結業績決算は、8億円もの赤字に転落する見通しだという。
そんなモスバーガーだが、実際のところは熱狂的なファンも少なくないし、商品の魅力が世間一般に届いていない部分もあるだろう。そこで今回は、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」の独自リサーチによって「この春、買うべきモスバーガーの商品5選」を決定した。これを参考として、モスバーガーへ足を運んでみてはいかがだろうか。
【この春、買うべきモスバーガーの商品5選】
●モスライスバーガー焼肉/390円(税込、以下同)
ファストフードといえども、ガッツリ食べたいという男性におすすめしたいのが「モスライスバーガー焼肉」。醬油ベースの和風ソースに漬け込まれ、非常に柔らかく仕上がった牛バラ肉とグリーンリーフを、ライスプレートで挟み込んだ逸品だ。
特に牛バラ肉は、それぞれの店舗のグリドルで生から焼き上げているというこだわりぶり。包みを開けたときの焦げた醤油の香りには、食欲をそそられること間違いナシだ。ちなみに、この商品は以前「やきにくライスバーガー」として販売されていたのだが、2016年に復活した際にライスプレートが20%増量され、大食いの男性でも満足できるボリュームにバージョンアップされた商品だ。
また、ショッピングなどのお出かけ先で家族や友達が「モスが食べたい」と言い出したとき、内心「今日はパンよりごはんの気分なのに……」と思ってしまった人にも、このメニューは重宝することだろう。
●チリドッグ/350円
本格的な行楽シーズンを迎えた今日この頃、心地よい陽気を楽しんだり、スポーツをしたりするために、公園などのスポットに訪れる人も増えているのではないか。そういったときにおすすめなのが、モスバーガーの「チリドッグ」だ。
具材がギュッと詰まっている半面、どうしても食べづらいバーガーが多いモスバーガーにおいて、片手で食べられるチリドッグは貴重な存在。インターネット上では、スパイシーすぎないその味つけを「ちょうどいい」と評価する声も目立ち、行楽のおともに最適なメニューだといえるだろう。
●とびきりハンバーグサンド<チーズ>/440円
「とびきりハンバーグサンド<チーズ>」は、一度食べたら驚くこと請け合いのバーガーだ。何がそれほどビックリなのかといえば、北海道産のゴーダチーズと、国産バターを使用したというオリジナルチーズの濃厚さだ。思い切って頬張れば、ほかのバーガーとは一線を画した味わいを堪能できることだろう。
そして、国産100%の牛・豚合挽き肉からつくられているハンバーグも、ジューシーで旨味たっぷり。ふんだんに乗せられたチーズや、味に奥行きのある和風ソースと織り成すハーモニーはバツグンなので、グルメを自認している人にはぜひ試してほしいメニューだ。
●オニポテ(フレンチフライポテト&オニオンフライ)/250円
マクドナルドなどのフライドポテトとは違い、太切りにされたモスバーガーの「フレンチフライポテト」(220円~)は、ホクホク感が印象的。さらに「オニオンフライ」(260円~)は、サクッと軽い衣のなかに、甘みのあるオニオンが包まれている。
行楽先に持っていく食事としてモスバーガーを選んだ際には、絶対に外してはならないサイドメニューだろう。ただし1袋に入っている量はそれほど多くないので、奪い合いにならないよう、複数個注文しておくことをおすすめしたい。
●こだわりサラダ ローストアマニトッピング 和風ドレッシング<減塩タイプ>/280円
モスバーガーは国産野菜の使用や農家との連携に力を入れていて、キャベツやレタスがおいしいと評判だ。サイドメニューの「こだわりサラダ ローストアマニトッピング 和風ドレッシング<減塩タイプ>」は、モスバーガー自慢の野菜を贅沢に満喫できる商品となっている。
もっとも、冒頭でも触れたようにモスバーガーは昨年8月に食中毒事故を起こしているので、生で提供される野菜を食べるのは怖い……と不安に思う人がいるかもしれない。だが、この事件を教訓に、品質管理にはより一層の注意を払うようになっているはずだ。
薄着になる夏に向け、今のうちから少しでもダイエットしておきたいという人や、健康に気を遣いたいという人は、バーガー類に手をつける前に、このサラダを食べてお腹を膨らませるのがいいかもしれない。
以上、こだわりの詰まった商品が目白押しのモスバーガーのなかから、インターネット上の口コミや、「買うべき・買ってはいけない調査班」で試食した感想をもとに、選りすぐりの商品を5つ紹介した。企業としては苦戦続きだというモスバーガーだが、メニューの質は相変わらず。「最近、食べてないな」という人は、モスバーガーならではのよさを再確認してみてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)