原田知世と田中圭がW主演を務める連続ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)が6月16日に第10話(第1章最終話)を迎え、平均視聴率は7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。

 日テレで25年ぶりに2クール連続放送される同ドラマは、引っ越し先のマンションで幸せな新婚生活を送るはずだった手塚菜奈(原田)と翔太(田中)が、殺人事件に巻き込まれていくというミステリー作品。

現時点では初回の8.3%が自己ベストとなっており、前週第9話で8.0%をマークしていたものの、今回はそこから0.1ポイント後退した。

 悪夢の始まりは、菜奈を含む住民会参加者の間で“殺してほしい人”の名前を紙に記入し、クジのように引き合うという悪趣味な遊びを行ったこと。以降、紙に書かれた人が次々と亡くなってしまい、住民たちは「交換殺人ゲーム」が繰り広げられているのではないか……と恐怖に駆られていた。菜奈&翔太は事件を食い止めようと真相解明の手がかりを捜していたなか、402号室の榎本正志(阪田マサノブ)・早苗(木村多江)夫妻を怪しむように。結局、翔太は第9話のラストで榎本家の隠し部屋に監禁されてしまう。

 第10話で目を覚ました翔太は、先に監禁されていた202号室の黒島沙和(元乃木坂46・西野七瀬)と見知らぬ少年(荒木飛羽)に話を聞く。
少年の正体は榎本夫妻の息子・総一。いじめ問題で心を病んだ早苗の意向により、ダンボール箱に隠された状態で3年前に引っ越してきたという。一方、翔太の失踪に気づいた菜奈が榎本家を訪ねるも、早苗は何食わぬ顔で「一緒に捜す」と申し出た。その後、警視庁すみだ署生活安全課に務める正志に相談し、正志は自分が上層部につなげると話したが、菜奈が提出した捜索願をコッソリと破棄。

 正志と早苗は総一の存在を知った翔太と沙和を殺すことにし、すみだ署の刑事・神谷将人(浅香航大)を呼び出して協力を要請。3人がまず、沙和を空き部屋の303号室に運んでいる間、菜奈は402号室を訪れて翔太と総一を発見した。
そこへ早苗が戻ってきてしまい、ハンドミキサーを持って襲いかかってくる彼女から逃げる菜奈だったが、外の駐車場で捕まってしまう。異変に気づいてマンションの住民たちが集まってきたため、早苗はより興奮して半狂乱に。そんな早苗を思い止まらせたのは、総一の命がけの行動だった。

 しかし、そのとき、総一がマンションのベランダから転落してしまい、受け止めた翔太がケガを負って入院。目を覚まして新聞を読むと、早苗は殺人未遂の現行犯で逮捕されたという。また、翔太は看護師から「奥さんがつきっきりで看病していた」と聞かされ、一刻も早く菜奈に会うために病院を抜け出し、自宅へ。
ところが、帰宅した翔太が寝室で目にしたのは、すでに死んだ菜奈の姿だった……。

 この展開に、インターネット上の視聴者たちは「え!? 菜奈も主人公なのにここで死ぬの……?」「嘘だろ、こんなの予想してなかった」「衝撃的すぎて頭がクラクラする」などと騒然。もともと、一部報道で“第2章は田中圭メインになる”と言われてはいたが、それが“原田知世の退場を意味する”とは誰も思わなかったはずだ。そもそも、予告の段階では翔太に“死亡フラグ”が立っていただけに、まさかの菜奈死亡には「やられた!」と言わざるを得ない。

 ネット上には、ドラマとして評価する声が続出している一方、「あまりにもショックで心が痛い」「一瞬で気分が重くなった」「今までで一番怖い展開」といったコメントも。ただでさえ今回は、早苗役の木村の“怪演”が「狂気を感じる」「何をしでかすかわからない恐怖感」などと言われていて、ミステリー作品のはずが「もはやホラーでは?」と思わされるほど非常に恐ろしいストーリー展開だったのに……。


 早苗の狂乱ぶりが“視覚的な恐怖”が主だったのに対して、菜奈の死は我々視聴者に“精神的な恐怖”を与えた。番組終了後に布団に入った私なんて、どうにも菜奈の死(が判明したシーン)が頭から離れず、怖くてなかなか眠れなかったほどである。

 同ドラマの第2章は「反撃編」として6月30日から放送を開始し、翔太が沙和、そして新たなマンション住民・二階堂忍(横浜流星)とともに、菜奈を殺した犯人を捜し出すべく奔走するという。その前に、23日23時からは、“刑事目線”でのこれまでの振り返りと、菜奈と翔太の出会いからプロポーズまでを描いた『あなたの番です 特別編』が放送される。事件の振り返りは、第2章から「見たい」と思っている視聴者にとってはありがたいだろう。これが視聴率にもつながることを祈るしかない。

(文=美神サチコ/コラムニスト)