今日1月14日から放送スタートするTBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(毎週日曜21時)。父娘が絆と人生を再生させていく情熱的ヒューマンドラマで、父親を西島秀俊、娘を芦田愛菜が演じる。

天才子役と称され、幼いころから女優として活躍してきた芦田は数多くの俳優と「父娘役」を演じてきた。今回はそんな芦田の父親役を演じた俳優と、その作品を紹介したい。

【写真】愛菜ちゃんの“父”演じた俳優たち 結構年齢層も幅広かった

■『ビューティフルレイン』豊川悦司

 2012年にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマ『ビューティフルレイン』。妻に先立たれ、男手1つで娘を育てながら突然若年性アルツハイマーと診断され悩む父親と、その事実と戦いながら生きる娘の絆を描いたストーリーだった。

 芦田の父親役を演じたのは豊川悦司。豊川がフジテレビ系列のドラマに出演するのは13年ぶりだった。芦田は当時8歳。本作では、病に冒された父親を支える娘を好演。幼くして女優としての評価をさらに高めた。

■『OUR HOUSE』山本耕史

 2016年にフジテレビ系列で放送された野島伸司脚本のドラマ『OUR HOUSE』。亡くなった母親の代わりに家事と学業を両立させ奮闘する娘と父、そしてアメリカ人の「新しい母」の家族模様を描いた作品だった。

 芦田は主人公の長女・伴桜子を演じ、山本耕史が父親役となった。
山本は本作で『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)以来19年ぶりの野島作品出演だった。また、母親はNHK朝の連続テレビ小説『マッサン』で外国人として初めて主役を演じたシャーロット・ケイト・フォックスが担当。芦田の兄弟役は加藤清史郎寺田心松田芹香が演じた。

 核家族化が一般的となっている日本のなかで展開された「大家族ドラマ」が視聴者にインパクトを与えた作品だった。

芦田愛菜の主演映画で“宗教にのめり込む父”演じたのは?

■『星の子』永瀬正敏

 今村夏子の長編小説で、2020年に映画化された『星の子』。病弱な娘を救おうと「怪しい宗教」にのめり込む両親と、宗教二世として苦悩の日々を送る娘を描いた映画だ。

 主人公の林ちひろ役を芦田が演じ、父親役には永瀬正敏。母親は原田知世が担当した。宗教二世として生きてきた自分が「実は他人と違う」と感じ始めた娘と、家財をすべてつぎ込む勢いで宗教にのめり込む両親を描いた内容は、大きな反響を呼んだ。

■『エンディングカット』佐藤隆太

 2022年にNHKで放送された『エンディングカット』。故人の髪を整える「エンディングカット」という職に就く父親と、その職業と誰しもに訪れる「死」と向きあう娘の人間模様を描いたドラマだった。

 『エンディングカット』で芦田の父親役を演じたのは佐藤隆太。
芦田の演じた主人公は高校3年生で、当時41歳だった佐藤は「若いお父さん」だった。人の死という重いテーマを扱った本作だったが、佐藤と芦田の演技力もあり「テーマは重いけど泣かせるストーリーだった」「芦田の演技が上手くて泣けた」という声が上がっていた。

<番外編>『マルモのおきて』阿部サダヲ

 芦田の出世作ともいわれるドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)。血の繋がりのない双子を引き取り育てていく「マルモ」の奮闘を描いたストーリーだ。

 「マルモ」こと高木護役を演じたのは俳優の阿部サダヲ。高木が父親代わりとなった双子を演じたのが当時7歳の芦田と鈴木福だった。2011年の放送開始当初はさほど注目されたドラマではなかったものの、ストーリーや芦田と鈴木の演技が話題となり、最終回は23.9%の高視聴率を記録。主題歌の「マル・マル・モリ・モリ!」は、芦田と鈴木のかわいらしいダンスも相まって大ヒットとなり、同年の『NHK紅白歌合戦』にも放送局の枠を越え出場を果たす。

 『マルモのおきて』は視聴者に強いインパクトを与え、「芦田愛菜といえば『マルモのおきて』」というイメージを持つ人もまだまだ多い。独身の高木が徐々に“父親”として成長していく姿や、本当の父を失った悲しみを抱えながらも明るく無邪気に振る舞う双子の姿に、本当の親子以上の絆を感じさせた作品だった。

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