ブルース&ソウル・レコーズがゲストを招き、プレイリストでブルース&ソウルの魅力を紹介する新企画『BSR Playlist Archives』。第1回のゲストはラジオDJ、音楽フェスティヴァル「Live Magic!」を監修するピーター・バラカン氏。
今回は「Black Lives Matterとブラック・ミュージック」をテーマにセレクトいただいたプレイリストをお届けする。2013年に立ち上がったBlack Lives Matter(BLM)運動は、昨年5月25日にミネアポリスでジョージ・フロイド氏が白人警官に首を膝で押さえつけられて死亡した事件を機に、世界中へ抗議の波が広がった事は記憶にも新しいはずだ。そして、その人種の差別に抗う声は、ブラック・ミュージックの中で長きにわたり歌われているテーマでもある。彼らの音楽を聴き、そしてそのメッセージを考えることは、私たちができる一つの抗議の形なのかもしれない。
プレイリストはこちらから!
Vol,1 「Black Lives Matterとブラック・ミュージック」
(ピーター・バラカン氏によるコメント)ブラック・ミュージックは昔も今も人種差別と切り離して聞くことは難しいです。子供のころはアフリカン・アメリカンたちが受ける偏見のことを知らずにラジオから流れる60年代初頭のR&Bを楽しく聞いていたのですが、公民権運動のことをテレビのニュースなどで知り始めると、遠く離れたイギリスにいるにもかかわらず怒りが込み上げてきました。ちょうどぼくの中学、高校の時代はソウル・ミュージックがいちばん元気な時期に重なっていたし、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなどの影響でブルーズの人気もどんどん高まって行ったのです。十代からブラック・ミュージックを日常的に聞いているとそのサウンドは自分の基準になりました。最初はサウンドそのものがカッコよくて、さほど歌詞を意識せずにのめり込んでいましたが、一旦気になり始めると差別に触れる歌がかなりあることに気がつきます。ここで取り上げている曲は時代的に20世紀初頭から現在まで、スピリチュアル、ゴスペル、ブルーズ、ジャズ、ソウル、R&B、ファンク、ラップ、レゲェ…表現のしかたも様々です。最後に入っているアンドラ・デイの「奇妙な果実」は間もなく公開されるビリー・ホリデイの伝記映画のサウンドトラックからです(※編注 同映画は米国で2021年2月26日よりHuluにて公開)。公式ウェブサイト peterbarakan.net
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