■「看板ブランドを立て直す」という挑戦
外資系の消費財メーカーに新卒で入社し、グローバル展開する化粧品のプロモーションを数多く手がけてきた藤澤さん。入社11年目にして、「日本国内のユーザーと向き合って商品を作りたい」とロート製薬に転職を決意した。
転職後すぐに「Obagi」ブランドの担当になったが、当時発売開始から10年を迎えていた「Obagi」は、課題を抱えていた。かつて右肩上がりだった売上げは伸び悩み、いわばブランドとしての停滞期に入っていたのだ。その「Obagi」ブランドを立て直すのが、藤澤さんに課せられたミッション。大きなプレッシャーを抱えてのスタートとなった。
「まずは、『Obagi発売10周年』を大きく盛り上げる必要がありました。転職したばかりの状況で不安もプレッシャーもありましたが、やるしかない!と当時は腹をくくっていたのでしょうね(笑)」
■「原点回帰」の作戦でブランド復活に成功
藤澤さんは、「Obagi」ブランドの要である美容液「ObagiC」に改めて注目。
「Obagi」の看板商品でもある「ObagiC」は、もともとリピート率7割を誇る商品。だからこそ、その魅力をもう一度しっかり伝えれば、ブランドのパワーを活性化できるはず。この原点回帰作戦が功を奏し、「Obagi」の売上は前年比120%にまで回復した。
この成功体験が、藤澤さんの大きな自信につながった。それ以降、藤澤さんはObagi一筋。現在はObagiチームのリーダーを務めている。
■「この商品はいける」という肌感覚を大切に
転職後に確かな成功体験を得た藤澤さんだが、当初は戸惑いや不安もあったと語る。
「11年間慣れ親しんだ外資系企業とは、まず社内文化も仕事の進め方もまったく違う。『Obagi復活』のプレッシャーもあったので、転職して最初の1年間はなにかと大変でした」
ただ、慣れるにつれて今の会社の「働きやすさ」も見えてきたという。大規模なグローバル企業に比べ、国内のターゲットに絞って少数精鋭で動くロート製薬。上層部と社員の距離が近く、何事も即断できるスピード感があった。
「互いに国も文化も違うマーケットで勝負する外資系企業は、どうしてもデータ重視で判断せざるを得ません。でも国内マーケットなら、自分たちの肌感覚で『これはいける』という手ごたえを共有できる。その決断を形にして進められることが楽しいですね」
[佐藤悦子さんも登場!ObagiCのパワーに迫る読者イベントレポートはこちら]
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