先日発表された、ゴールデングローブ賞のノミネート。主演・助演女優部門の両方で候補になったアリシア・ヴィキャンデルはスウェーデン生まれ。
女優部門でただひとりの非英語圏の出身者です。

じつは、映画史に残る世界的女優を送り出しているスウェーデン。まず思い浮かぶ大女優が、イングリッド・バーグマンです。

彼女からアリシアまで、ハリウッドで活躍したスウェーデン出身の女優をたどってみましょう。

アメリカ映画の女優トップ5に2人がランクイン

アメリカン・フィルム・インスティチュートが選ぶ「アメリカ映画のトップ女優50」のトップ5を見てみると、4位にイングリッド・バーグマン、5位にグレタ・ガルボがランクインし、スウェーデン出身の女優が2人もいます。

このリストからも、スウェーデン女優がアメリカ映画、ひいては、世界の映画に大きな影響を与えたことがわかります。

イングリッド・バーグマンイングリッド・バーグマンと俳優のアンソニー・クイン

2015年が生誕100周年だったイングリッド・バーグマン。代表作には『カサブランカ』や、ヒッチコック監督の『汚名』『白い恐怖』などがあります。

私が好きなのは『誰が為に鐘は鳴る』。映画化にあたっては、原作者のヘミングウェイが、「あなたはこの本のマリアだ」と書き添えてイングリッドに本を送ったほど惚れ込んでいました。ヘミングウェイが望んだ通り、ゲーリー・クーパーとイングリッドの主演が実現した名作です。

娘のイザベラ・ロッセリーニも女優・モデルとして、そしてイザベラの娘、エレットラ・ヴィーデマンもモデル・編集者として活躍しています。

グレタ・ガルボ

1905年生まれのグレタ・ガルボは、イングリッドより少し前のサイレントからトーキーの過渡期に活躍しました。20年ほど活動して35歳で引退。しかし、テレビの登場以前で映画が主な娯楽だった時代に、多くの名作を残しました。

代表作は『肉体と悪魔』『グランド・ホテル』『椿姫』『ニノチカ』など、どれもDVDで観られる名作です。

レナ・オリン

彼女の名が世界的に知られるようになったのは、1988年の『存在の耐えられない軽さ』。以後も『チョコラ』『愛を読む人』などで堅実にキャリアを積んでいます。同じくスウェーデン出身の監督ラッセ・ハルストレムと結婚し、ニューヨークを拠点に活動しています。

アリシア・ヴィキャンデル

2016年3月に日本公開が控えている主演作『リリーのすべて』。ハリウッドに進出してまだ数年ですが、年々出演作が増えている注目株です。

私のオススメは、アリシアがAI型ロボットを演じた『Ex Machina』。現時点では日本公開は未定ですが、キーラ・ナイトレイと共演した『アンナ・カレーニナ』や『戦場からのラブレター』のDVDで、どことなく憂いのある凛とした美しさを見ることができます。

アリシアは、今回のゴールデングローブ賞の2部門ノミネートで、アカデミー賞候補になる可能性も大。

アカデミー賞候補の発表は1月14日(木)、アカデミー授賞式は2月28日(日)です。

2016年は、彼女がイングリッド・バーグマンに続く世界的大女優になる一歩を踏み出す年になるかもしれません。

[Golden Globes, American Film Institute, Open Culture]

photo by Getty Images

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