アメリカの『Vogue』誌で長年クリエイティブ・ディレクターを務めたグレース・コディントンが、その座を退くことがわかりました。

『Vogue』とファッション界に変化が

グレース・コディントンは、1988年に米国『Vogue』誌に参加しクリエイティブ・ディレクターに就任。

アナ・ウィンターと二人三脚で『Vogue』を育てたことで、そのクリエイティビティが高く評価されてきました。

『Vogue』でのインターン経験のある「Man Repeller」のアメリア・ダイヤモンドは、アナが『Vogue』の「校長先生」だとすれば、グレースは現場の「先生」のような存在。彼女が欠けるとなると、『Vogue』にとって大きな影響となるだろうと言います。

さらに、「New York Times」では、ダナ・キャランやラルフ・ローレンの引退とあわせて、ファッション界の変化が連鎖的に起きていることを指摘しています。

後任は未定

ただグレースは退任といっても、『Vogue』から完全に手を引くわけではありません。

今後は「クリエイティブ・ディレクター・アット・ラージ」(一般的に、「アット・ラージ」は「特定の部門に属さない」といったニュアンス)という役職で、『Vogue』内のオフィスも残し、年間少なくとも4本の記事を手がけることになっているとのこと。

また後任のクリエイティブ・ディレクターは決まっておらず、当面空席のままになるようです。

今後は個人の活動を重視

グレースはもう74歳でもあり、退任以降はフェードアウトしてしまうのか......と思いきや、むしろ目立った活動が増えていくよう。

というのも、退任よって『Vogue』以外の仕事が可能になったためで、すでに4月発売の「コム・デ・ギャルソン」と香水のコラボレーションが決まっています。

2012年に発表した回想録「Grace:A Memoir」をベースとした映画も現在制作中。さらには『Vogue』での職務経験を記した新たな書籍の発売も予定されています。「Business of Fashion」のインタビューで、グレース本人は、

『Vogue』からは逃げないわ。

『Vogue』は、たくさんのドアを開けてくれたのだから。でも、誰かとコラボレートしたり、外に出てたくさんの人と話したりするのはナイスだと思うの。

ただアプローチが違うだけ。リタイアなんてしない。ただ座っているだけなんてイヤよ。

Business of Fashion」より翻訳引用

と、引退を否定。

自由になったグレースの活躍が楽しみです。そして、『Vogue』がどう変わっていくのかにも注目です。

Business of Fashion , Fashionista, Man Repeller, New York Times

photo by Getty Images

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