それだけに、メディアの影響も懸念されるところ。とくに、スリムすぎるモデルやセレブのイメージは、少女や若い女性たちに無理なプレッシャーを与え、心身によくない影響を及ぼすこともあります。
変わりつつあるおもちゃ業界そんな影響はやはり無視できません。たとえば、モデル業界では、プラスサイズやリアルな体型のモデルを起用するようになってきました。また、モデルに健康証明書を提出させるというフランスの新しい法律も注目を集めています。
そして、子どもたちに与える影響の大きいおもちゃ業界。こちらにも、変化の風が吹いています。
ふくよかや小柄も。バービー人形の体型が4つになるA photo posted by Barbie (@barbie) on Jan 30, 2016 at 9:49am PST
昨年は、さまざまな目や髪、肌の色のバービーが登場しました。そして、いよいよ、これまでとは違うさまざまな体型のバービーも発売されることになりました。
オリジナルの体型に加えて、背の高い「トール」、小柄な「プティット」、ちょっとふくよかな「カーヴィー」と、合計4体型の展開となったのです。
A photo posted by Barbie (@barbie) on Jan 28, 2016 at 8:01am PST
今年3月で57歳になる「バービー」。
どうでしょう、この勢ぞろいしたバービーたち。自分の回りにいる女性たちにぐっと近づいていて、私は親しみを感じます。
少女たちにも好評この新しいバービーを6歳から12歳までの少女たちに見せたところ、「みんな違ってるのがいい」、「青い髪が気に入った」、「もっと共感できる」と、とても好評でした。
やっぱりいろいろなバービーがあった方が楽しいものです。
歓迎したい「ノーマライゼーション」の動き実社会に暮らすさまざまな人たちのことを表すとき、「多様性(ダイバーシティ)」という言葉が使われているのを聞いたことがあると思います。
でも、最近読んだ本におもしろい意見があったんです。アフリカ系アメリカ人の売れっ子TVプロデューサー、ションダ・ライムズは著書『Year of Yes』で、メディアでアフリカ系女性やLGBTのキャラクターが登場するようになったのは、「ダイバーシティ」ではない、ときっぱり。
彼女に言わせると、これは、「normalization(ノーマライゼーション)」なのだそう。つまり、メディアで表現されるものを、実社会のように「ノーマル(普通、正常)」にすることなのだと、彼女は声高に訴えていました。
これには、目からウロコ。私も同感で、これからは「ノーマライゼーション」と呼びたいと思いました。
ファッションの国フランスや、世界中で人気の「バービー」が、モデル業界やおもちゃ業界の流れを牽引することでしょう。実社会をより反映する「ノーマライゼーション」のこの動き、歓迎したいです。
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