そんなときは、静寂を求めてイヤープラグをつけたくなりますが、じつは、逆に、別な音に浸ってみるのも効果的なのです。
音楽なら断然バロックたとえば、以前まとめたように、クラシック音楽は、仕事の捗りを助けてくれる音楽として知られています。なかでも論理的思考を助けてくれるのがバロック音楽です。
実際、私のパートナーは、在宅仕事中には、かならずクラシックを流しています。ついでに言えば、PC上の単調作業中などは、歌詞付きフレンチポップスをかけることもあるのですが、こちらは家族(主に私)の大ひんしゅくを買っています。
翻訳や執筆のように文章自体を扱う仕事のせいか、私はどうしても歌詞のある音楽が耳に入ると、集中することができないようです。
カラードノイズを聞いてみる「Bureaux à partager」の記事によれば、音楽以外でも、ホワイトノイズを聞くと、仕事の効率が高まるそうです。ホワイトノイズと言うのは、ひと昔前、放送時間外にテレビやラジオをオンにすると聞こえていた「シャー」という音です。
シカゴ大学の最近の研究によれば、(ホワイトノイズは)集中力を47%高めてくれます。というのも、人の孤独感を払拭し、ストレスを軽減するからです。
「Bureaux à partager」より翻訳引用
ただ、ホワイトノイズの均質なシャーという音は、人によっては神経に触ることもあるようで、「Idea to value」では、ホワイトノイズより低周波数の音が強いピンクノイズやブラウンノイズの方が聞きやすいとしています。
カフェのざわめきも効果ありピンクノイズは、ホワイトノイズよりももう少し動きがある音、嵐の中の雨音のように聞こえます。
(中略)
(ブラウンノイズは)、川を穏やかに流れる水音や、ビーチの波の音に聞こえます。
「Idea to value」から翻訳引用
カラードノイズは、Youtubeなどでも聞けます。くらべてみたところ、私もホワイトノイズより、ピンクノイズやブラウンノイズのほうが耳あたりが良いように感じました。
これらの音が高めてくれる集中力アップの効果は、開演を待つ劇場で聞こえるような、内容はつかめない低い声や衣擦れの音が作りだすざわめきにも期待できるそうです。
そういう「ざわめき」を流すサイトやアプリも存在します。たとえば、「Hipstersound」では、テキサスのカフェや、パリのカフェ、レストランなど場所を選び、オプションで暖炉の音や小鳥のさえずりを重ねたり、ピアノバーや海辺のラウンジなどヴァリエーションをつけることが可能です。
ちなみにこの記事は、「カフェの雨降るテラス」の音を聞きながら書いています。機械音の邪魔がない低い単調なざわめきには、心を鎮める効果もあるように思えます。
音量も大切で、クリエイティブな仕事の助けとしては、低すぎも高すぎもしない70デシベル程度が一番効果的だそうです。70デシベルは、ちょうど掃除機くらいの音量ということ。正直いって、個人的には大きすぎる音に感じますが、それは私の仕事がクリエイティブではないせいかも?
効き目にはもちろん個人差があるでしょうが、どうしても気が散るときには、これらの音を試してみるのも一案かと思います。
[Bureaux à partager, Idea to value, Hipstersound, カラードノイズの聞けるYoutube]
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