「ギャンブルを断ち切りたい」と思っていても、実際には卒業とは程遠い現実と直面している人は少なくない。契約社員の40代女性(年収150万円)は「休みだとパチンコ屋に行ってしまう。

違うことをして過ごしたいのに……」と嘆く。一方で、



「20代の頃、パチンコに300万円以上を注ぎ込んでいたことがあります」(40代女性/商社系/年収600万円)
「パチンコを10年ほどしていたが、2年くらい前にやめた。総額で500万円は使っている」(30代男性/流通・小売系/年収1000万円)


といった声も寄せられている。50代後半の男性もその1人だ。現役時代は負けが込んだことで、消費者金融や闇金融から借金をしては自転車操業の日々を続けていたという。(文:鹿賀大資)


■「当時の利率は29~40%くらい。

利息分を支払うだけで目一杯」


「現在はノーギャンブル」と語る男性だが、かつてはパチンコとパチスロに約1000万円もの大金を投じている。それでも10年前の起業を機に、きっぱりと足を洗った。「今は年収300万円ほどの個人事業主ですが、借金も完済し正業に勤しんでいます」と振り返る。



「パチンコを始めたのは10代後半、最盛期は25~40歳くらいまで。パチ屋が潰れない理由を考えれば、負けるのは必然的。それがわかっている分、よく当時は『パチ屋に電気代を払ってやった』などと自問自答をしながら、オケラ街道を歩いたものです。

次第に負けが込んでも『明日は明日』と気持ちを切り替え、翌日も朝からパチ屋へ行っていました」


給料日になると消費者金融のATMに向かい、借金を返済する生活に変わっていった。しかし元金および利息を支払うと生活費、ひいてはパチンコ資金が残らない。そのため、6社から順繰りに借り歩いていたという。



「当時の利率は29~40%くらい。利息分を支払うだけで目一杯だったから当然、元金は減りません。もう借金返済のために働いているようなものでしたが、結局パチンコはやめられませんでした」


■「心の淋しさから空いた隙間を、ギャンブルが埋めていた」


そんなパチンコ生活だったが、時として大勝することもあった。

その最高額について「16万円くらい。でも朝から晩まで回していたし、それに等価じゃない時代だったから……」と複雑な胸中を明かす。とはいえ、勝った分を借金の返済に充てることはなかった。



「期日になれば給料が入るため、『また自転車操業をすればいいや』という感じでした。金を借りる時は恵比寿顔、返す時は鬼の顔。昔の人は上手に言ったものです……。

バブル全盛期を経験しているので、余計に金やギャンブルにハマりやすかったのかもしれません。心の淋しさから空いた隙間を、ギャンブルが洗脳していたとも感じていますが」


男性の言うギャンブル最盛期以降は、徐々に「時間の大切さ」を考えるようになっていたったという。そして40代後半の時に「生まれたからには、人間としてやらなきゃならないことが沢山ある」と思い立ち、パチンコ生活の卒業と同時に起業に踏み切ったとのことだ。


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