二度のアニメ化もされた、競技かるたをテーマにした漫画『ちはやふる』は、一時引退をささやかれた漫画家の末次由紀氏の復帰後初連載にして、2011年には講談社漫画賞を受賞した代表作です。美しく前向きな女子高生「綾瀬千早」の競技かるたにかける思いや、仲間たちとの青春を描いた名作です。
「綿谷新」は、主人公の千早を競技かるたへと導く大切なキーパーソンであります。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■かるたの神様は努力の人

 「永世名人」である祖父・綿谷始に指導され、小学校1年から5年まで、全国大会でフル優勝した才能あふれる競技かるた選手だった綿谷新。メガネが似合う真面目で動じない、ちょっとテレ屋でクールな高校生です。小学校6年生の時に、祖父と父とのトラブルのために福井から東京の千早のいる小学校に転校してきました。


 生活は苦しく狭いアパートに三人暮らし。小学生ながらも新聞配達をして家計を助ける優しくもけなげな少年だった新は、新聞配達先で同級生の千早に遭遇。「同級生には見られたくない」と思って戸惑う新ですが、千早は一切からかわず、姉の千綾が美少女コンテストに入賞し新聞に載ったことを楽しそうに話します。さらに新聞配達をする新を「えらい」と尊敬の目で見る千早。そんな素直でまっすぐな千早に惹かれる新。そして千早は新の得意のかるたの腕と、ストイックにかるたに向き合うに魅せられ、二人は急速に親しくなります。


■かるた競技からの離脱、そして復帰へ!

 それまでひとりでかるた競技と向き合っていた新ですが、千早と同じく同級生の太一と「チームちはやふる」を結成。対戦相手のヒョロくんや肉まんくんとも出会い、チーム戦としてのかるたに興味が出てきます。しかし、小学校卒業時に祖父が倒れ、祖父と父が和解。新は福井に帰郷し、祖父の看病に当たります。

 かるた大会よりも祖父の看病を優先していた新ですが、祖父から「大会へ行くように」と言われ、新は祖父を置いて大会へでてしまいます。そして、そのまま祖父は他界。
看病を離れ、大会を優先したことで祖父の死が早まったのではないかと自責の念にかられた新は、競技かるたから離れてしまう事になります。

 しかし、千早と新の説得や、地元高校の競技かるた部のチーム戦への不正参加(!)などを経て、かるたへの思いを再認識します。そして千早への思いも再熱。その静かに燃え上がる姿が、クールで熱くて男らしいのです。しかも、いつも淡々と話し、感情の起伏のすくない新が、チーム戦によって小さく一喜一憂する様は、レアアイテムを見つけた時のようでこちらまでうれしくなってしまいます。そんな新を見て、激しく一喜一憂する千早がまたかわいいのです!

 再開当初から、千早とイケメン幼馴染の太一との仲を気にして一歩引いていた新でしたが、マンガ版では大勝負のあと、ついつい告白してしまいました!これから恋愛初心者二人のどんなドキドキがまっているのか楽しみすぎます。
是非そんな二人をアニメでもみてみたいですね。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:藤原ユウ(キャラペディア公式ライター)

(C)末次由紀/講談社・VAP・NTV