それは歪んだ恋の物語。カラーギャング、ヤクザにチンピラ、闇医者、情報屋・・・。
キレた奴らが集う街、東京池袋に上京してきた一人の高校生。今回はそんな、非日常を求める、ごくごく平凡な少年「竜ヶ峰帝人」を紹介していきたいと思います。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■非日常を求める平凡な男子高校生

 かなりぶっ飛んだキャラクターの多いデュラララ!!において、竜ヶ峰帝人という存在は驚くほどに平凡です。中学までは地元から一歩も出たことがなく、幼馴染に誘われ高校進学を機に上京、そしてそこで一人の少女に恋をする・・・。
その平凡さは、風変わりな苗字に名前負けしていると自負する程です。

 しかしそんな姿とは裏腹に、心の奥底では非日常な出来事を望む、謂わば日常からの脱却願望を抱いています。そして普通であれば憧れだけで終わるその願望を、少年はとある形で実現してしまうのです。この平凡さと非日常のギャップが彼の魅力をより引き立てます。

■紀田正臣と園原杏里

 東京に来てから、多くの人と関わることになる帝人。そんな中、彼にとって切っても切れない縁を結んでいく存在になるのがこの二人、紀田正臣と園原杏里です。


 紀田正臣は幼馴染であり、帝人を東京・・・つまり非日常へと招いた張本人です。幼い頃から強く快活な正臣は、帝人にとっての憧れでヒーローのような存在です。園原杏里は高校入学後のとある出来事を切っ掛けに、親交を持つようになったクラスメイトの少女です。各々重大な秘密を抱えている三人ですが、そのことはお互い知らず、言わず、緩やかな三角関係を続けていきます。帝人自身も、その関係を心地よく感じ尊んでいましたが・・・。

■平凡な男子高校生、その正体はダラーズ創設者

 ごく普通の高校生に見える帝人。
しかしその正体は、池袋で噂のカラーギャング、ダラーズの創設者の一人なのです。最初はおふざけで作っていた架空のチームが、徐々に実態を持ち始めていき、次々と初代メンバーが消えていく中、帝人だけは現在進行形でそこに留まり続けます。

 その胸中は、架空とはいえ作ったチームが消える悲しさというよりも、折角掴んだ非日常への欠片を手放したくないといった彼の思いが見えます。帝人にとってのダラーズの理想は、あくまで「自由であること」であり、彼がダラーズを利用し、何かを強制させようと考えることはありません。全ては日常からの脱却、ただそれだけのためなのです。

 物語が帝人の視点で進む事で、彼を主人公と思われる方も多いと思いますが、あくまでデュラララ!!の主人公はセルティであり、帝人は物語の語り手、もしくは裏主人公でしかありません。
ファン待望だったアニメ二期がスタートしたデュラララ!!二期はダラーズ創始者としての帝人のあり方が大きく問われるエピソードが登場します。その時帝人はどんな選択をするのか・・・とても楽しみですね。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:柊723(キャラペディア公式ライター)

(C)2014 成田良悟/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/池袋ダラーズ