銚子市で学校法人加計学園(岡山市)が運営する千葉科学大の設置者を学校法人大城学園(沖縄県)に変更する申請について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は29日、変更を認めるとする答申を出した。2004年に銚子市との「公私協力方式」で開校した同大は、26年4月1日から大城学園に設置者が変わる。

(橋本ひとみ)
 大学名や学部学科、定員などに変更はない。今後、正式に文部科学大臣の認可が出る。両学園は今年3月に設置者変更の申請を出すと発表していた。
 同大は市が誘致する形で開校に至った。定員割れが続き、23年秋には加計学園が市に公立化を要望した。これに対し市は24年8月に検討委員会答申を踏まえ、私立大での継続を強く求めると回答。公立化には規模のスリム化などを条件とした。
 越川信一市長は29日、「私立大のままで継続されることは検討委答申と市の要望にかなうもの。両学園の努力に感謝する」とコメント。大学の地域貢献としてコロナ禍のPCR検査や学生消防隊、ジオパーク活動などを挙げ「少子化による厳しい経営環境は続くが、大学運営に協力し、大城学園との官学連携によるまちづくりを進める」とした。
 市は同大のキャンパス用地の約10ヘクタールを無償貸与している。市によると、大城学園に変更後も引き続き無償貸与する方針。

 両学園は29日、ホームページで「これまで以上に教育・研究活動等に尽力し、在学生・在校生並びに保護者をはじめ、関係者にご心配をおかけすることのないよう努めていく」とのコメントを掲載した。正式認可は8月下旬から9月上旬頃に予定されるという。同大付属高校についても今後、設置者変更に向け手続きを進める。
 加計学園ホームページによると、今年5月1日現在の同大在籍学生数は全3学部(薬・危機管理・看護)と大学院で計1283人(収容定員は2276人)。
 大城学園は沖縄県で高校と幼稚園を運営する。高校の「エナジックスポーツ高等学院」は22年創部の野球部が今春の選抜高校野球大会に初出場し、話題を集めた。
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