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2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。

「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。

本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第5話レビュー

「官僚っていうのはみんな優秀なものなの。でもバカなことをしなくちゃいけないものなの。命令する政治家がバカだから」

恐らく、この国で政治に関わる多くの人がドキッとさせられたであろう赤塚(石田ゆり子)の台詞。「TOKYO MER」第5話の冒頭では赤塚が喜多見(鈴木亮平)と高輪(仲里依紗)に、“音羽(賀来賢人)を警戒するように”と投げかける場面が描かれた。音羽は厚生労働省からMERに派遣された医系技官。このところ、彼は喜多見の過去を探るなど不穏な動きが目立っている。

一方、噂の張本人である音羽は厚生労働大臣の白金(渡辺真起子)から命令され、闇献金疑惑から逃れるため海浜病院に入院している大物政治家・天沼(桂文珍)を手厚くもてなしていた。音羽は第4話のラストで喜多見に好意的な姿勢を見せていたはずだが、相変わらずMERを潰そうとしている様子。今回はそんな“官僚”と“医師”、2つの顔を持つ医系技官・音羽の信念が試される事件が発生した。

喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)と妊娠高血圧症で入院している妊婦(河井青葉)を乗せたエレベーターが火災により急停止。乗り合わせた音羽と天沼と共に閉じ込められてしまう。エレベーター内部では煙が充満し、全員が酸欠状態の中、破水した妊婦の容態が急変。臍帯脱出により、母子ともに危険な状態だった。

そんな状況下で、音羽は“官僚”として天沼の救出を優先させるか、“医師”として母親と赤ちゃんの命を助けるかの2択を迫られる。迷った末に音羽が下した決断は、「人の命より大事なものはない」と妊婦の治療に当たることだった。そのまま、音羽はエレベーター内での帝王切開を開始。周囲の協力もあり、危機一髪で生まれてきた子どもの命を守ることができた。

常に冷静沈着で、何を考えているかわからない音羽の揺れ動く表情が見どころだった第5話。さらに感動的だったのは音羽が助けた妊婦に語ったある“決意”だ。

今回明らかとなったのは、音羽の母親がお金の関係で適切な医療を受けられずに若くしてこの世を去ったという事実。音羽はそんな医療格差をなくすために、医師免許を持ちながら官僚として国の医療制度を根本から変える医系技官になったのだ。

自身が取り上げた新しい命を見つめる音羽の目にはたしかに熱い炎が宿っていた。赤塚の咄嗟の機転で音羽は官僚生命を奪われずにすんだが、彼はこれからMERを潰すためではなく、直接的・間接的に人々の命を守るために奮闘していくのだろう。正反対な性格を持つ喜多見との最強コンビの絆は深くなっていきそうだ。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第5話ストーリー



喜多見幸太(鈴木亮平)の妹・喜多見涼香(佐藤栞里)と妊婦を乗せたエレベーターが火災により急停止!乗り合わせた音羽尚(賀来賢人)と大物政治家・天沼夕源(桂文珍)と共に閉じ込められてしまう。煙が充満し酸欠状態のエレベーターで妊婦の容態が急変!

出動したTOKYO MERには、政治家・天沼の救出を優先するよう命令が下る。炎上間近のエレベーターで音羽に迫られる究極の選択…。母子の命を救うため、喜多見が下した決断とは!?

TOKYO MERのメンバーたちが決死の救出劇に挑む!

(文:苫とり子)

【作品情報】

コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。

重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!

主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。

大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!

出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤

【出演者放送前コメント】


鈴木亮平

僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。

また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。

この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。

“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。

賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。

私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。

中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。

一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。

脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。

とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。

これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。

演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。

真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。