写真家・藤塚光政が撮影した倉俣史朗と高松次郎による合作空間「サパークラブ・カッサドール」の記録写真展『‘Cazador’KURAMATA Shiro / TAKAMATSU Jiro Photographed by FUJITSUKA Mitsumasa』が、6月18日から東京・新宿のYumiko Chiba Associates viewing room shinjukuで開催される。

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サパークラブ・カッサドールは、インテリアデザイナーとして活動を開始した倉俣が1967年に内装を手掛け、倉俣の依頼で高松が店内の壁画制作を行った東京・新宿2丁目のバー。
店内は、壁に描かれた人の影と店を訪れた客の影が交差することで、実在と不在の併存が視覚化された新しい空間となった。この合作空間で、高松は影を既存の美術の枠組みから解放し、同時に倉俣もインテリアデザインという枠を超えた新しい空間のあり方とコンセプトを提示したと言われている。

埼玉県立近代美術館主任学芸員・平野到の協力で開催される同展は、藤塚が撮影した壁画制作現場の記録写真を展示。同空間の制作時における高松と倉俣の思考を探ると共に、美術、音楽、建築、写真、デザイン、演劇など多様な分野のアーティストがジャンルを越えて交流し、制作活動を展開した1960年代末の時代性を浮き彫りにする。

なお、6月28日には平野と藤塚によるトークイベントが開催されるほか、平野による研究冊子『カッサドールの影の行方』も刊行される予定。