野口啓代「完登で久し振りにすごく嬉しくなった」コンバインドジャパンカップ2021【決勝後コメント】
18日、19日に岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場で行われたスポーツクライミングの第4回コンバインドジャパンカップ(CJC)。2種目複合の新フォーマットで行われた東京五輪前最後の国内大会は、野口啓代と楢崎智亜がボルダリング、リードで100点満点を獲得し、男女とも五輪代表が優勝した。優勝は2種目1位の野口啓代! 五輪に弾みつける【コンバインドジャパンカップ2021 女子決勝】

野口啓代(女子優勝)
「国内最後の大会で、五輪前に優勝して自信をつけたかった。ボルダリングもリードも集中できていて、今までジャパンカップでもW杯でも集中し切れずにあまりいいパフォーマンスができていなかったが、今回は集中して自分らしいトライができた。完登で久し振りにすごく嬉しい気持ちになった。
リードの最後は気合で手数を稼げたが、五輪を見据えると持久力がまだ足りない。中間部で手順がわからないパートがあり、行ったり来たりしてしまった。普段ならそうなっても体力はあまり消耗しないが、今回は(シミュレーションのためコンバインド前にスピードを実施した)3種目の疲れがあり、最終面に行った頃は前腕が限界だった。W杯インスブルック大会ではリードとボルダリングの両方で決勝に行き、いいパフォーマンスをしてさらに弾みをつけたい」

野中生萌(女子2位)
「ボルダリングは最終課題がゴール落ちで、それを取れていたら結果も違ったので悔しさがあるが、リードで想像以上に頑張れたので結果的には良かった。体力がついてきたことでリードまで温存できているし、単純にボルダリングやスピードの調子が上がることで、ムーブで感じるストレスの度合いが軽減され、最後まで頑張れるようになっていると思う。五輪までの約1カ月でまだ改善できる点はたくさんあり、それを改善できる自信もある。このまましっかり集中して最後まで駆け抜けたい」

渡邉沙亜里(女子3位)
「産前に公式戦で表彰台に乗ったことがなかったので、産後に初めて表彰台に乗れてびっくりしている。(急きょ大会出場可能な連絡があったというが出場を決めた理由は)息子も小学2年生になり大きくなったので、学校やママ業などで忙しくなる。
(3位の要因は)調子が良いとは言えず、気負うものもなかったのでリラックスして登れたのが良かったと思う。周りよりもかなり自由に楽しんでいた。(今大会上位選手には9月世界選手権の代表権が与えられるが)私は大会の第一線から身を引いているので、世界選手権に出場する気持ちはない。そういう舞台は、私が出ていた頃みたいにユースの子やこれから活躍する子たちに出てほしいと思っている。若い子たちに頑張ってほしい」

伊藤ふたば(女子6位)
「ボルダリングで1完登もできずに終わってしまい反省点がたくさんある。得意としている跳び系の1課題目を落としてしまい、そこからリズムが崩れていった。リードは下部からリスキーな動きが多く、ずっとストレスがかかるような課題で、下部から力が入ってしまい中盤でヨレてしまった。地元なのでいいパフォーマンスを発揮したかったが、結果が至らずに悔しい。これからW杯が続いていくので、結果を残せるように頑張っていきたい」
楢崎智亜、五輪前最後の国内戦を優勝で締めくくる【コンバインドジャパンカップ2021 男子決勝】

楢崎智亜(男子優勝)
「優勝できたことは素直に嬉しいが、リードの内容が良くなかったのは反省点。オブザベーションが完璧ではなかった。

緒方良行(男子3位)
「ボルダリングの完登の価値が大きいことは承知していたので、アテンプトに敏感になりすぎず、とにかく完登にこだわった。以前の複合フォーマットより挽回のチャンスが少ないので、出だしが大事だという実感はあった。幸先は最悪だったが、そこから表彰台に上がれたのは素直に嬉しい。なによりメンタル面の成長を強く感じた。ボルダリング最終課題の完登は自信にもつながった。
パリ五輪はもちろん目指している。東京五輪の選考に関して、何度も悔しい経験をしたので、パリ五輪で晴らしたい。最近はメンタル面や緩傾斜など自分の弱点潰しに努めていて、それら弱点に対する克服を実感できることが今後の目標。
CREDITS
取材・文
編集部 /写真
窪田亮※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。