○世代間の分断を招く「働かないおじさん」とは
しかし中には、身の回りにこんな人がいたらそりゃ問題になりますよね、という人物も存在します。今回、調査対象となったのは「働かないおじさん」です。
「働かないおじさん」というのは、その人の役割に求められる行動や成果が伴わず、会社や部署のお荷物となっている中高年社員を指す言葉です。管理職にも平社員にもパートにもいます。
1.タバコ休憩やコーヒー休憩が頻繁
2.何もせずボーッと窓の外や宙を見つめている
3.無駄話を延々している
4.ネットサーフィンをしている
5.プライベートや趣味の予定を立てたり調べたりしている
6.寝ている
7.新聞や雑誌を読んでいる
今回の調査対象者は【4】の、ネットばかりしていて働かない人物でした。
○セクハラや暴言に現れる歪んだ内面、過激で極端な思想
毎日のように何度も何度もネットに没頭するS氏。注意されなかったことが、慢心につながったのでしょうか。ある日、S氏は会社のパソコンから某巨大掲示板とTwitterにもログインしてしまいます。そこから足がついて、S氏のネット活動がバレ始めました。
S氏は2つのアカウントを持っていて、片方のアカウントはいわゆる「クソリプ垢」というもので、そこからは、アダルト産業やグラビアモデル、パパ活をする女性への粘着、特定の国や思想、職業に対する暴言が大量に発せられていたのです。
そしてもう一方のアカウントは、「性的に満たされない女性に本当の気持ちよさを教えます」と書かれており、ネットナンパ師として活動していたのですが、こちらも断られたり相手にされないとしつこく絡んだり、挙句の果てには嫌がらせのダイレクトメッセージを送るなど、非常に問題のある所業が確認されました。また勤務時間に、エロコンテンツの投稿、リツイートを繰り返していたことも明らかでした。
働かないおじさんS氏は、出社するが何もしないおじさんではなく、有害活動に精を出すおじさんだったのです。
○勤務中にサボってSNSやネットをする人の割合と、「どこまで許されるのか」
世の中には、勤務中のスマホ持ち込みが禁止されている厳しい職場もあれば、基本的なビジネスマナーとして、職場のパソコンを私的に利用したり、デスクでスマホをいじることはNGという暗黙の了解で成り立っている職場もあります。
また、これほどスマホが普及する前は、昼休みに会社のパソコンからネットショッピングしたり、長期休暇のためのフライトを予約したりということも普通にありました。またトイレや喫煙室で、あるいは書類を運ぶエレベーターの中で、さらに言えば仕事の合間に、サクッとスマホでLINE、メール、SNSをチェックしている人も少なからずいると思います。仕事中にネットサーフィンをしたことがあるという人の割合は4割だと、一説には言われています。となると、数時間に数分のネット利用くらい、延々お喋りをしている従業員に比べれば「ずっとまし」だと言えるかもしれません。
では仕事中のネットは、どこからが許されないのでしょうか。これについては、企業や部署の考え方、その人の普段の行状などもあるので一概には言えませんが、少なくとも次の点は間違いないでしょう。
•仕事中、職場で、職場のネットを使って、アダルトコンテンツ閲覧や性的な目的での利用は×
•政治観、信条、価値観は個々の内心の自由だが、それを公に発信した時点で、反社会的な発言は×
•侮辱、誹謗中傷、差別発言、脅しなどは違法行為なので×
つまり仕事もせず、エッチな目的で、または誰かを攻撃したり罵倒する目的で、ひたすらネットばかりしていたS氏はどこを切ってもアウトということ。勤務先に、素行不良と問題のある人間性がバレてしまった以上、働かないおじさんS氏への評価もより厳しくなることはやむを得ないと思われます。
企業調査センター 8万件以上の調査実績を誇る企業専門の調査会社。「調査のプロ」ならではの視点と聞き込みのテクニックで、学歴・職歴詐称や犯罪歴の有無やSNSでの性格や傾向をみるバックグラウンドチェックや、企業にとってリスクと思われる問題社員の素行調査などを手がけている。