山本周五郎の傑作小説『赤ひげ診療譚』の舞台化となる本作。
初めての舞台で初めての座長を務める船越は、2017年から放送しているNHK『赤ひげ』シリーズと同じく主人公の"赤ひげ"こと新出去定を演じる。「大変な栄誉でとてつもない重責を担って挑むことになりました。とにかく初めてですから胸を張ってお見せできるものではありません」と謙そんしながらも、「63歳でキャリア41年を迎えた役者が初の舞台に無謀にも挑みます。その懸命にあがいてもがき、のたうち回る姿を皆さんに微笑ましく楽しんでいただき、皆さんの小さな勇気に繋がっていただければ役者冥利に尽きます」と意欲を見せた。
ある患者を献身的に看病する女中・お杉役の菅井は「偉大なる先輩方とご一緒に名作を、そして何度も感激させていただいた明治座さんの150周年というタイミングで挑ませていただけることは本当に光栄です」と感激しきりで「私は女中役で和装でのお芝居と初めてのことが多く日々試行錯誤していますが、船越さんをはじめ皆さんがたくさんアドバイスをくださって課題を感じながらもやる気に満ち溢れた毎日を過ごしております」と船越らキャスト陣との稽古に刺激を受けているという。
初舞台となる船越。その理由を問われると「還暦を迎えた3年前に社長から『新たに生まれ変わるんだから新しいことをゼロから始めよう。ずっと逃げている舞台がありますよ』と切り出されました。ここは一つ清水の舞台からと思ったらコロナになり、先送りになっていくうちに明治座が150周年という大きな栄誉が転がり込み、そこにまんまと飲み込まれた次第です」と説明し、「今までは映像でしたが、去年(芸能生活)40周年を迎え、皆さんに直に感謝を現したいという思いが初舞台の背中を押していただきました」とファンに対する感謝の思いが初めての舞台へと突き動かしたという。
そんな船越について医員見習いの保本登役を演じる新木は「セリフを覚えるのが早いんですよ。既に完璧で抜き打ちでセリフ合わせをしてくれるんです。