俳優の高良健吾が、2024年2月の公開映画『罪と悪』で主演を務めることが18日、明らかになった。

オリジナル脚本で描かれる同作は罪の真実と正義の在り方を問う本格サスペンス。
ある日、13歳の正樹が殺され、同級生の少年たちのうち1人が犯人を殺し、殺害現場となった家に火を放つ。22年間の沈黙を経て罪を背負った幼馴染3人は再会するが、あの時と同じ場所でまた少年が殺される。

高良が演じるのは、荒んだ家庭環境に育ち、現在は地元の不良たちを集めた闇の仕事も請け負う建設会社を経営する主人公の春。22年の時を経て罪と向き合っていく。

そして春と同じく罪を背負いながらも、過去の秘密を隠し大人になった幼馴染として、警察官の家庭に育ち自らも捜査一課の刑事となるが、父の死をきっかけにこの街に戻ってくる晃を大東駿介、家業の農業を継ぎ現在は引きこもりになってしまった双子の弟・直哉の面倒も見ている朔を石田卓也が演じる。

コメントは以下の通り。

高良健吾


齊藤勇起さんが助監督の頃から知っていて、オファーを頂いた当時はご近所さんでした。たまたま道で会うことが多く、そこで『罪と悪』のまだ形になる前の話をして頂き、「その時が来たら、高良にお願いしたい」と言って頂きました。それが数年前の話です。あの時、道端でコーヒーを飲みながら話していた企画がやっと形になるという事でとても嬉しかったです。齊藤さんの初監督作品。なにがなんでも齊藤監督の力になりたいと思いました。
現場はとにかく刺激的で、齊藤さんの想いを、現場のみんながどうにか表現しようと必死でした。齊藤さんの地元である福井の方々の協力も手厚く、感謝しかありません。
みんなで悩み苦しみ、表現し、ここまで現場に強く結びついた経験は今までなかったと思うくらい、濃い時間でした。福井での撮影で、地元の方々と仲良くなり、今でも思い出すくらい特別なものになりました。2022の夏に、現場のスタッフ、キャスト、福井の方々の協力によって出来上がった「罪と悪」は、明るく、見やすい作品ではなく、問題作だと思いますが。この世の中に堂々と向き合ってお届けできればと思います。
お楽しみに。
○■大東駿介

齊藤勇起初監督作には是非参加させてほしい。映画『草の響き』撮影時、函館のスナック青りんごのカウンターで、当時助監督を務めていた齊藤氏と約束をしたあの夜の出来事が現実になりました。この作品を齊藤監督の故郷、福井県の最高のロケーションでこの20年、俳優として同じ時代を歩んできた高良健吾さん、石田卓也さんと共にかたちに出来たことを心から嬉しく思います。いびつな過去を背負った3人の幼馴染の物語。撮影オールアップ時、深夜、僕たちの頭上に3羽の真っ白な鳥が旋回していました。
夢のような時間でした。この作品が皆様に届く日を楽しみにしています。
○■石田卓也

脚本を読ませて頂いて最初に、朔という役に良くも悪くも人間臭さを感じました。「これだ、待ってたよ!」と思う役に出会える事は滅多にありませんが、まさにそれでした。撮影現場で共演者の方とお芝居をすると、やはり脚本を読んでいるだけではわからない心の動きや、空気感がたくさん出てきて一瞬一瞬の緊張感がありました。どんなシーンになるのか演じている僕達がとても楽しみです。
一方で現場は映画内容とは真逆でとても穏やかで、監督がとてもフレキシブルにその場で出たアイデアを柔軟に取り入れているのが印象的でした。映画を観る前それから観た後で、タイトルにもなっている「罪と悪」について皆さんがどんな想いを抱いていただけるのか? 自問自答してどんな答えを出していただけるのか? 皆さんと共有できたら嬉しいです。お楽しみにしてください!
○■齊藤勇起監督

遠い記憶の中でずっと引っかかっていた出来事から着想したオリジナルストーリーです。後悔の念と共に封じ込めてた記憶と向き合うことで少しずつ前進しては後退しての繰り返しでなかなかゴールまで辿り着けませんでした。最後に出した答えも正しかったのかは分かりませんが高良さん、大東さん、石田さんの3人が導き出してくれた結末は自分も考えていなかった時を超えてのアンサーでした。この作品への俳優部、スタッフの志の純度の高さが後押ししてくれて出来上がった結果です。
映画はお客さんの皆さんに観ていただくことで本当の終わりを迎えます。多くの方と共に結末を見届ければこれほど喜ばしいことはありません。いつの日かこの映画について一緒に語り合える日を待っています。どうぞよろしくお願いします。

(C)2023「罪と悪」製作委員会