スマホの契約をするときに通信キャリアの店舗へ行く人も多いと思います。最近は予約システムを使えば待ち時間無くすぐに受付してもらえますが、混雑しているときは結構な時間待たされてしまう場合もあるものです。
そんな待ち時間は自分のスマートフォンをいじって順番が来るのをただ待つしかないでしょう。今回、クアラルンプールへ行ったところ、待ち時間もゆっくりくつろげるカフェを併設したキャリアのお店があったので立ち寄ってみました。

マレーシアのキャリアの1つ、Yesはクアラルンプールにコンセプトストアを出店しています。ここでは同社が提供するサービスすべてのデモが行われたり、旅行者はプリペイドSIMカードを買うこともできます。ちなみにYesのプリペイドSIMカードは30リンギット(約920円)で1か月データ定額、ホットスポット12GBが利用可能。日本のローミングサービスを使うよりはるかに格安です。


スマートフォンも数モデルが展示されています。マレーシアではスマートフォンはSIMフリー、メーカー販売が基本であるため、家電量販店のほうが品ぞろえは豊富です。それでも話題の製品はキャリアでの取り扱いもあり、ここではNothing Phone (2)なども展示されていました。

マレーシアでも5Gの普及が進んでおり、Yesも5Gサービスを展開中。店内でスピードテストを行ってみると下りで400Mbps前後、上り100Mbps前後となかなかの速度。5Gは最速で「ギガ」の速度も出るものの、実際の街中ではこれくらいの速度が一般的。
なおYesは後発のキャリアなのでクアラルンプールの地下鉄などでは電波がやや弱くなることもありましたが、繁華街や観光エリアではしっかりと5Gを掴んでいました。

コンセプトストアというだけあって、キャリアサービスだけではなく店内滞在を楽しめるショップになっています。明るい店内の壁面はちょっとした映え写真を撮れる撮影スポットもあります。

そして店内の半分の面積を占めるのがカフェゾーン。このコンセプトストアはクアラルンプールの繁華街、ブキッ・ビンタンにあります。ショッピングビルもあり観光客で賑わうエリアのため、カフェはどこも大混雑。
でもこのコンセプトストアにカフェがあることはあまり知られていないようで、昼までも空いていることがあります。YesでプリペイドSIMカードを買う用事が無くても、ちょっと休憩したいときにこのカフェに立ち寄るのもいいでしょう。

壁側の席には電源もあるのでスマートフォンの充電をしたり、ノートPCでちょっとした作業をすることもできます。実際に訪問したときは隣のテーブルで仕事をしている人や、タブレットで動画を見ている子供など来客者が思い思いにくつろいでいました。

コーヒー類は12リンギット前後から(約370円)、パン類が10リンギット前後から(約310円)、パスタが24リンギット(740円)などなど、マレーシアの大手カフェの価格を考えると妥当なところでしょうか。最近は円安の影響で海外に出ると物価が高くなった印象がありますが、マレーシアもコロナ前に比べると日本円換算で1.2倍から1.3倍程度高くなったように感じます。


そうはいっても東南アジアはまだまだ物価が安いので、庶民的なお店での食事も500円程度で食べられます。ブキッ・ビンタンもローカルレストランやショッピングモールにフードコートが必ずあるので、安く食事をするのには困りません。

なお今回はブキッ・ビンタンエリアに泊りましたが、安い宿から高級ホテルまで宿泊先の種類も多く、お店も夜遅くまで開いているので買い物や食事には困りませんでした。

マレーシアでもスマートフォンの普及率は高く、通信キャリア各社は新規契約ではなく他のキャリアからお客を奪うことに必死です。料金はすでに十分安く、まずはキャリアのお店に来てもらわなくては消費者に存在を知ってもらうことも難しいでしょう。Yesがカフェ併設のお店を繁華街に出す理由もそこにあるわけです。
旅行者の人もプリペイドSIMカードを買う際に先客がいて待たされるようであれば、「次にしよう」「別のキャリアにしよう」と思ってしまうでしょう。来客を待たせることが多いキャリアの店だけに、カフェを併設することはお客にとっても有意義なサービスと思います。

キャリアのスペースの一部をカフェにしたり、あるいは郊外店ならカフェの隣にキャリアの店を構えるといった新しい形態の店が日本にも増えるといいかもしれません。キャリアでの待ち時間を減らすことが難しいのならば、その時間を有意義に過ごせるスペースを増やしてほしいものです。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。
海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら