「今回は非常にレベルが高い選考会となりました」という林氏は、W受賞の2作に加え、嶋津輝氏の『襷がけの二人』の3作が「レベルが高すぎて、(他の作品が)ちょっと今回は不利だったかな、残念だったなという感想であります」と印象を述べた。
そんな中で、加藤の『なれのはて』については、「“非常に成長がある”という意見が多数寄せられました。が、“少し登場人物が多く詰め込みすぎだったのではないか”という意見もございました」と説明。それでも、「加藤さんは本当に1作ごとに成長を見せているので、次作が楽しみだという声もございました。ぜひ、これからもお書きいただきたいという声もございました」と、選考委員からの評価を明かした。
直木賞はこのほか、宮内悠介氏『ラウリ・クースクを探して』、村木嵐氏『まいまいつぶろ』がノミネートしていた。