舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』の公開ゲネプロが22日に東京・大手町三井ホールで行われ、室龍太今江大地、野坂実(構成・演出)が取材に応じた。

同作は、東野圭吾氏による同名小説の舞台化作。
とある山荘に集められた劇団員たちと、唯一の“部外者”久我(室)が、“大雪で外部との接触が断たれた山荘”という架空の密室空間で新作舞台の主役の座をかけたオーディションの最終選考に挑む。ほか大野いと、加藤良輔、本西彩希帆、入来茉里、綾凰華、小南光司が出演する。また、現在、重岡大毅主演の映画も上映されている。
○■舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』公開ゲネプロに室龍太ら登場

室は「今までやったことのない役柄に挑戦しているので、稽古の時から課題だらけで。今でも課題があり、プレッシャーにおしつぶされそうになりながらここに立っています。でもこの状況すらも楽しめるような強靭な心臓を持ってるので、この後もその心臓を打ち砕かれないように頑張って行きたいと思います」と心境を吐露。
今江は「原作を読んで『この役を僕がやるのか、大変だな』と。脚本を読んで、上映されている映画も観て『こうやって演じてはるのか。自分はどうやっていこうかな』と」と、映画版を意識するところもあったという。

さらに室は「僕がストーリーを展開していくので、一言一言に重みがあって。普段おちゃらけてるので、その部分を出せないストレスがけっこうあるんですけど、2024年はいろんなことに挑戦したいと思ってたので、その1作目が東野圭吾さんのミステリー小説ということで光栄なこと」と語る。今江は「僕はけっこう人見知りをするタイプというか。
人と深く関わらない性格なんですけど、龍太くんは同じ関西時代、ジュニアとして一緒にいたし、その時はめっちゃ絡んだわけじゃないけど、前の作品でよく絡んだし、ごはんも一緒にしたり、頼れる存在でもあるのでバディ感もある」と感謝。

一方で、演出の野坂から「『もうちょっと仲良く』と言われたところあった」とも明かす今江。室は「あるシーンで、コップをバーン! とやられたので『なんかしたかな、俺』」と気になっていたという。「一応嫌悪感があるシーンだったじゃ無いですか」と焦る今江に、室は「無骨な男を演じてたんやな」と納得していた。

また原作の時代設定そのままに、92年の物語を描いていることについて、野坂は「現代の若者たちは表でぶつかることあんまりなくてパパッとやりとりするけど、(92年の設定なので)ガンガンぶつかっていく。不器用な人たちが必死になっていいものを作ろうとか、お芝居を頑張ろうとぶつかってほしい。
熱量がすごくあるお芝居を作ってくれてると思います。気をてらう方向じゃなくて、真っ向勝負で全面的に見せて行きたいというプランで作っています」と説明。「(エンタメ色を)抑えめに作ってる分、役者たちの熱量のこもったお芝居を楽しんでもらいたいと思います」とアピールした。

最後に室は「映画もやっていますし、重岡大毅が同じ役をやってるので、『負けたくない』とかはないですけど、舞台は舞台で楽しんでいただいて、どっちも観ていただいて、どっちも楽しかったなと思ってもらえるように頑張りたい」と意気込む。「千秋楽は配信も決まってますので、たくさんの方に観ていただけると思ってます」と言いながら、ネタバレを話しそうになり「パニックになってる!」と焦る一幕も。

気を取り直し「いろんな視点から楽しんでいただけるとも思います」とお願いしながら、「加藤良輔くんをよろしくお願いいたします。
大好きなんですよ、りょーちん。いい田所です」となぜか共演者を名指し。野坂は「1回目じゃわからない目線の動きがいたるところに敷かれているので、楽しんで観られると思います」と複数回観る場合のポイントも示した。

上演は東京・大手町三井ホールで2024年1月22日~28日。