ClicksはCES 2024にちょっと変わったiPhoneケースを出展しました。iPhone本体を保護するケースと思いきや、ケースの下部にキーボードが搭載されています。
この「Clicks Creator Keyboard」は文字入力の快適性を考えたケースなのです。

Clicks Creator KeyboardはiPhone 14 Pro用、iPhone 15 Pro用、iPhone 15 Pro Max用の3種類があります。色はイエロー(BumbleBee)とグレー(London Sky)の2色。ケースの内側にコネクタがあり、iPhone 14 Pro用はLightning端子、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max用はUSB-C端子で接続されます。ケースも各機種用にぴったりの大きさになっており、コネクタとの接続もあるためケースに取り付けたiPhoneは簡単にははずれないほど、しっかりと固定されます。

iPhoneにキーボードを取り付けるアイディアは過去にもいくつかの製品がありましたが、Clicks Creator Keyboardのキーボードは1つ1つのキーがしっかりと独立しており、しかも適度な押し心地があるうえに、コネクタ接続のためキーを押したあとの反応も良好。
またiPhone 15 Pro Max用はキーのサイズや間隔もわずかに大きくなっていて、より使いやすいキーボードになっています。

実際に文字を入力してみました。普段使っているフリック入力とは操作も異なるため、最初は若干戸惑いました。でもパソコンのキーボードと考えアルファベットを入力してくと、文字の取りこぼしも無く快適に入力ができました。メッセージのちょっとした返事ならフリック入力でも十分ですが、Clicks Creator Keyboardならレポートや報告書などかなり長い文章も書けそうな気がします。

日本語入力も問題ありません。
iPhoneにClicks Creator Keyboardすればそのまま日本語入力ができます。スペースキーでの変換、リターンキーでの確定はもちろん、画面をタッチして変換候補を選ぶことも可能。画面操作とキーボード操作の両方を使うことが出来ます。

ただしキーの数を増やせないため、数字や記号を入力する際は「123」キーを押してアルファベットキーを押す、のようにしなくてはなりません。日本語なら長音や句読点を多用するので、このあたりは製品発売後に日本のユーザーがメーカーにフィードバックを送ることで改良されていくでしょう。

価格はiPhone 14 ProとiPhone 15 Pro用が139ドル(約2万600円)、iPhone 15 Pro Max用が159ドル(約2万3,500円)です。
ケースとしてはやや高いものの、しっかりしたキーボードを使える機能性ケースとして考えれば悪くない値段かもしれません。なお同社トップのAdrian氏によると日本からのオーダーも多いとのことです。iPhone 14 Pro用は2月1日から、他2製品は3月以降に発売予定です。

ところでカラバリは2色ですが、試作モデルとしてピンクとブルーも見せてもらいました。4色展開あればより多くの人が興味を持ってくれそうですが、まずは3機種用2色を発売して市場の反応を確認するということのようです。またiPhone以外のスマートフォンのへの対応については、現時点ではまだ新製品を出したばかりのことから、今後検討していきたいとのことでした。


スマートフォン本体の下部にキーボードがついた姿を見ると、古くからのスマートフォンユーザーの中にはBlackBerryを思いだす人も多いでしょう。キーボードの押しやすさはたしかにBlackBerryに通じるものがあります。またホームに戻るや検索なども複合キーのショートカットで操作できるなど、BlackBerryでキー操作を行う快適さもある程度トレースされています。逆に「こんなスマホも昔あったな」と懐かしがる若い世代の人もいるかもしれませんね。Clicks Creator KeyboardはCESのスタートアップ関連イベントで展示されただけでしたが、多くの注目を集めていました。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。
日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。
最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら