ハクバ写真産業のブースに、同社が取り扱うカメラバッグブランド「Godwin」の新作や、光学製品メーカーのスワロフスキー・オプティックによるスマート双眼鏡が展示されていた。

「Godwin」の新たなカメラバッグ開発中、風景撮影家・瀬尾氏監修モデルも

Godwinからは、現在企画開発中のカメラバッグ4種類がブース前面の目立つ場所に出展されていた。
いずれもまだ最終仕様ではないとのことだが、実際に手に取って使い心地を試せる。

主な展示内容は、カメラボディ2台とレンズ5本、フラッシュ2本や15インチノートPC、三脚などを持ち運べる大容量の「ショルダーバッグ」、600mm F4+テレコンや1,200mm F8レンズを付けた一眼レフを収納できる「レンズバックパック」、前出のショルダーバッグとほぼ同等の収納力を備え、天面背面両側面どこからでも内部にアクセスできる「リアゲートバックパックL」。

もうひとつは風景写真家の瀬尾拓慶氏が監修したオリジナルカメラバッグ。複数のカメラボディとレンズをしまえるバックパックタイプなのだが、直立させたままスムーズに機材を出し入れでき、さらにフタを開けるとその裏側が簡易な作業台になるよう、樹脂製のスタンド兼ハンドルが取り付けられているのが大きな特徴だ。

また、クルマの助手席にしっかり固定できる仕掛けを備え、車内でバックパックが跳ねることなく安心して機材を運べるのも特徴としている。風景影撮でフィールドに出て行くユーザーのために、使い勝手の良さを追求したこのカメラバッグはまだ商品化は決定しておらず、CP+会場で来場者の反応を得たいそうだ。


瀬尾氏監修カメラバッグの詳細は、以下のYouTube動画で確認できる。

なんと、CP+のHAKUBAブースにて、私モデルのカメラバッグを展示中です‼️今までに無い要素を考案し詰め込んだ、特別な逸品です????ほんっとうにすごいカメラバッグです。ですが、今現在はまだ商品化確定ではありません。… pic.twitter.com/yTybqqpGQ1— 写真家・瀬尾拓慶/Takumichi Seo (@Takumichi_Seo) February 22, 2024

このほか、ハクバが現在展開している、普段使いに適したリュックとショルダー「プラスシェル シティ04」シリーズの後継として、新型「シティ05」が今夏発売予定で、会場の大きな通路に面した壁面いっぱいに展示されていた。

シティ05は従来よりもサイズラインナップが変わっており、大容量モデルが新たに加わり、小容量モデルにも変更を加えているほか、各製品の表面生地が改良されて撥水性が向上。細かな使い勝手の改良なども施されている模様だ。


世界初のスマート双眼鏡が日本上陸、野鳥の名前が視界の中に!

スワロフスキー・オプティックの製品展示コーナーでは、双眼鏡の新製品「EL RANGE 32口径モデル」や、最上位の「NL Pure 8×42」、「NL Pure 8×32」、“超レアモデル”の「BTX+115mm」などを手に取って試せる。

注目は2月22日に発表されたばかりの、世界初をうたうスマート双眼鏡「AX VISIO」。日本仕様モデルとして「AX VISIO 10×32 JPN」を今春をメドに発売予定で、発売日は“調整中”とのこと。価格は88万円。倍率10倍で、対物レンズ径は32mm。

最大の特徴は、野鳥や野生動物、一部の昆虫(蝶やトンボなど)を観察中に、双眼鏡中央に内蔵したカメラで写真やビデオを撮影でき、リアルタイムで被写体を識別できること。
専用のスマホアプリ「SWAROVSKI OPTIK Outdoor」と連携して、9,000種類もの野鳥や動物を識別し、双眼鏡のなかで対象の下に鳥の名前を表示できる(英文のみ)。

日本語で知りたい場合は双眼鏡単体ではなく、「Merlin」(マーリン)というアプリと連携することで、スマホ画面で確認することになる。また、蝶やトンボはアメリカやヨーロッパまでしかカバーしておらず、現時点では国内では識別機能は使えないとのこと。

なお、このスマート双眼鏡にはサードパーティのソフトウェアと連携できるようにするための余地もあるそうだが、まだ詳しい情報はスワロフスキー・オプティックからは入っていないそうだ。天体や星空観察で使えるモードが加わると、さらにおもしろくなりそうだと感じる。

双眼鏡の内蔵カメラの有効解像度は13MP(4,208×3,120ピクセル)で、撮ったデータは最大28GBの内蔵メモリに保存する。
スマートフォンなどに撮れた写真や動画をダウンロードして友人やSNSに共有したり、双眼鏡で見ているものをスマホ画面に1080p画質で映すライブビュー機能も備える。

スマート双眼鏡ならではの楽しい機能も充実。たとえば双眼鏡の視界の中で見ている対象にマーカーを付け、発見した被写体がいる方向を同行者に共有する機能がある。「珍しい鳥を双眼鏡で見つけたけれど、その双眼鏡を友人に渡して場所をうまく伝え、同じものを見てもらうのが難しい」という問題を解消してくれそうだ。ほかにもコンパス機能を内蔵していて、双眼鏡をのぞきながら方位や傾斜角を確認することもできる。

本体サイズは137×154×96mm(幅×長さ×高さ)、重さは1,090g。
アイレリーフの長さは18mm。野鳥などを観察するための本格派モデルらしく、結構大きくズッシリとくる印象だ。容量3,000mAhのバッテリーを内蔵し、動作時間は通常使用で15時間、スマート機能などを含めて最大2時間使える。無線LAN機能とBluetooth Low Energyに対応し、動作距離は5m。対応OSはiOS 16.0以上とAndroid 10.0以上。

フィールドフラットナーレンズによる視界は周辺視野まで高い解像感を追求しており、双眼鏡としてトップクラスの性能を備えているとのこと。
実視界は6.4度、ひとみ径は3.3mm。最短合焦距離は3m。薄暮係数(ISO14132-1)は17.9。