PCが普及したことによって、書類の作成はずいぶんと簡単になったが、履歴書やラベルといった現場で使う書類は、まったく白紙の状態から作るのは難しい。繰り返し作成するのであれば専用のソフトを導入することになるが、使うのがほんの1~2回であれば、わざわざ購入するのもためらわれる。


そんな場合に活用したいのが、こうしたテンプレートを多数内蔵し、オンラインでの作成に対応したサービスだ。高度なデザインを行ったり、印刷を行う場合は有料プランを契約せざるを得ないこともあるが、多くの機能は無料で使える。なによりインストール不要でブラウザ上で使えるのが大きな魅力だ。

今回は、履歴書やラベル、名刺など、必要となるジャンル別に、こうした作成ツールを提供しているサイトを紹介する。何らかの書類を作成したい場合、まずはこれらのサイトが利用できないか試してみて、難しい場合は有料のソフトを購入するといった具合に、切り分けて使うとよいだろう。
○履歴書を作るなら「電子履歴書」

オンラインで履歴書を作れるサービスは多数あるが、比較的新顔に当たるのがこの「電子履歴書」。
多彩なフォーマットが用意されているのはもちろん、後発だけあってPCのほかスマホにも対応。会員登録は不要で、Facebookとの連携で毎回の入力を省略することも可能。eプリント経由でのコンビニ印刷にも対応するのも強みだ。

○宛名ラベルを作るなら「lablemake.jp」

「lablemake.jp」は宛名ラベルをオンラインで作成できるサービス。郵便はがきや定型封筒のほかタックフォームの8面(2×4列)、さらにはレターパック用のテンプレートなども用意されており、ちょっとした宛名の印刷に便利。CSVやExcelデータからの読み込みにも対応する。
このほかビジネス書類のテンプレートなどもラインナップしている。

○名刺を作るなら「Adobe Express」

名刺をオンラインで作れるサービスの多くは印刷も込みで、純粋に作成だけのサービスは少ない。アドビの「Adobe Express」は数少ない作成専用サービスで、JPGやPNGのほか、PDFでの出力にも対応する。ほかにチラシや招待状、メニューなどの作成にも対応。なおダウンロードには会員登録を行ってのログインが必須。

○手紙を出すなら「Web速達」

「Web速達」は日本郵便が運営する、オンラインで手紙を発送できるサービス。
WordやPDFで作成したファイルをアップロードすると、それらを出力した書類を郵便物として受取人に配達してくれる。追跡サービスを用いての配達状況の確認も可能。テンプレートからの作成も行えるが、その場合に作れるのは請求書と納品書に限定される。

○表彰状を作るなら「賞状無料」

「賞状無料」は表彰状を無料作成できるオンラインサービス。賞状のデザインを選んだうえで字体、大きさを選択し、さらに表題、受取人、本文などの文面を入力すると賞状が出力されるので、PDFでダウンロードしたうえで手持ちのプリンターで印刷すればよい。目立たないながらもクレジットが入るが、身内のイベントなどでは十分だろう。


山口真弘 ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWebや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーがおもな守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。 この著者の記事一覧はこちら