●「夢や希望を与えられるような表現者になりたい」
俳優・藤岡弘、の次女でモデルや女優として活動している天翔天音(18)。昨年、大河ドラマ『どうする家康』で本格的に女優デビューしたが、今年8月8日~12日に東京・有楽町よみうりホールで上演される「海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド ~海と人がともに生きる~』」で舞台に初挑戦する。
活躍の幅を広げている天翔にインタビューし、仕事に対する思いや初舞台への意気込み、父・藤岡弘、からの教えなど話を聞いた。

――はじめに芸能界で活動したいと思ったきっかけから教えてください。

昔からいろいろな芸術やキラキラしたステージを見て育ってきて、舞台芸術を通して憧れを持ってもらえるような人たちを見てすごく素敵だなと惹かれていき、私も伝えられる人の立場になりたいと思うようになりました。今、いろいろな芸事も頑張って習っていますが、夢や希望を与えられるような表現者になりたいと思っています。

――お父様である藤岡弘、さんの影響がやはり大きいのでしょうか。

父の存在もすごく大きいです。
父が活躍している姿をずっと見て育ってきて、素敵だなと思っていたので。

――今、モデルや演技、バラエティなど幅広く活動されていますが、芸能界に入ろうと決めたときは、どんな風になりたいと思い描いていましたか?

ずっとバレエを習っていて、そこからいろんなダンスに目覚めていったのですが、K-POPなどキラキラ輝いているアイドルにすごく憧れて、夢を与えてくれる存在って素敵だなと思い、その憧れから表現者への興味が一番湧いたので、自分もそういう存在になれたらなという思いがあります。

――『どうする家康』で女優デビューされましたが、演じる面白さはどのように感じていますか?

本格的にお芝居させていただいたのが『どうする家康』が初めてだったので緊張感が強かったですが、終わったときは達成感がありましたし、役にのめり込んで演じるやりがいを感じ、時代劇だったので、自分が生きている時代とは違う時代を生きる面白さもありました。また、自分はこういう表現ができるんだと、役やお芝居を通して成長できることも楽しいなと思いました。

○初舞台にワクワク「新しい自分を開拓したい」

――そして、『プリンス・オブ・マーメイド』で舞台に初挑戦。海の壮大な営みや神秘を物語や歌を通してドラマティックに描く本作で、ヒロインであるティヤム王国の王女サラ役を務められますが、出演が決まったときの心境を教えてください。


幼い頃からミュージカルなどいろんな舞台を見てきて、私は音楽やパフォーマンスが大好きで、いつか私の表現でいろんな人に感動や夢を与えていきたいと思っていたので、初舞台が決まって本当にうれしかったです。しかも役柄が王女様役。昔から王女様、プリンセスが大好きで憧れていたので、すごくワクワクしました。

――プリンセスのどんなところに憧れていますか?

プリンセスは品があって、見た目も美しくて、いろんな人に思いやりがあるという理想の女性像で、特にラプンツェルやシンデレラが大好きです。

――王女サラをどのように捉え、どう演じようと考えていますか?

サラは海が大好きで、美しいものを愛する王女様で、王子タリクと出会ってから、海の大切さや素晴らしさを伝えていくのではないかなと思うので、海に対する思いなどを大切に演じていけたらと思います。

――ご自身とサラの共通点はありますか?

美しいものが好きというのはすごく似ているなと思います。
また、冒険心があって、いろんなことに挑戦したいという気持ちを持っている点も似ていると思います。

――天翔さんが好きな“美しいもの”とは?

アクセサリーなどキラキラしたものもそうですし、映像美にも惹かれます。映画『アバター』は映像が素晴らしくて、海の世界観や神秘的な感じなど、すべてが美しかったです。今回の作品も海がテーマなのですごく楽しみです。

――初舞台ということで楽しみにしていることもお聞かせください。

生の舞台でしか味わえない、ステージ上から見たお客様の雰囲気などを感じられるのが楽しみです。
すべてが初めての体験になると思うので、不安もありますがワクワクのほうが強いです。舞台ならではの表現など、新しい発見もたくさんあると思うので、新しい自分を開拓して、新たな自分にステップアップできたらいいなと思っています。

――大好きな歌やダンスも生かせそうですね。

ステージで歌ったり踊ったりできるのはうれしいですし、どう表現できるのだろうと楽しみです。ずっとバレエを習ってきて、手先の柔らかさや踊りでの見せ方は、舞台でうまく表現できるのではないかなと思っています。

父から学んだ心得を常に意識 兄弟の活躍も刺激に


――お父様からの教えで大切にしていることがありましたら教えてください。


小さい頃からずっと、「人間性をちゃんと磨かないと素敵な人にはなれない」と言われてきました。芸事や技術を磨くことも大事ですが、人として思いやりや感謝、尊敬の念を持たないといけないと。どんなときもその心得を忘れず魅力のある人になることが大事だと教わり、それは常に意識しています。

――まさにお父様は思いやりにあふれ人間的にも魅力のある方だなという印象です。

私も父と一緒にいてそう感じますし、父のように人間力が詰まった魅力のある人になっていきたいなと思っています。

――兄弟の藤岡真威人さん、天翔愛さん、藤岡舞衣さんも皆さん芸能界で活動されています。
それぞれの活躍から刺激を受けることもありますか?

家族全員芸能界でそれぞれ自分のやりたいジャンルで挑戦している姿を見るとすごく刺激になりますし、何かあったときも助け合えますし、原点というか、家族の存在は大きいなと感じています。父もいろいろな経験をしてきているので、的確なアドバイスをくれますし、すごく助けられています。

――ちなみに、藤岡弘、さんの娘だということを隠して学校に通っていたそうですが、いつ頃まで秘密にしていたのでしょうか。

中学までは言わずに、普通の勉強を頑張っている学生でした。芸能界で活動させてもらうようになってから、徐々に皆さん気づかれていったという感じです。

――皆さん驚いたのでは?

テレビに出始めた頃は教室にいろんな子が見に来たり、すごく視線を感じるようになり、知らない子からも話しかけられました。でも皆さん応援してくれていて、会うたびにうれしい言葉をかけてくれるので、元気の源というか、大切な存在になっています。

○幅広い活動に意欲「どんどん可能性を広げていきたい」

――今後についてもお伺いしたいのですが、将来的にどんな風になっていきたいと考えていますか?

お芝居やモデル、アーティスト活動など、今いろんなことに挑戦し始めているところなので、自分の幅を決めずに、どんどん可能性を広げていきたいです。本当にどの活動にも興味があり、まだ知らない世界もあると思いますし、今後自分がどうなっていけるのか自分自身も楽しみなので、いろんなことへの意欲を忘れずにどんどん挑戦していきたいと思います。

――今年3月に「新しい形で、必ずアーティスト活動は挑戦していきます」とコメントされていましたが、もともとアイドルに憧れていたとおっしゃっていましたし、やはり歌手活動に対する思いは強いですか?

もちろんです! アーティストの方からインスピレーションを受け、輝いている世界への憧れを持ったので、自分もそういう存在になれるようなアーティストになっていきたいと強く思っています。

――特に影響を受けたアーティストは?

ボーイズですが、BTSさんにすごく心惹かれ、音楽の素晴らしさを感じました。

――最後に、初舞台を楽しみにしている方や今後の活躍を楽しみにしている方たちへメッセージをお願いします。

自分自身もサラをどう演じていけるのか楽しみですし、お稽古をして皆さんと一緒に舞台を作り上げていくのも楽しみです。私なりに精一杯サラを演じ切りたいと思うので、楽しんでいただけたらと思います。そして、2024年に入ってから新しい挑戦がたくさんあり、これからもいろんなことに挑戦していきますので、新たな天音の姿も楽しみに待っていていただけたらうれしいです。

■天翔天音
2005年6月14日生まれ、東京都出身。8.5頭身という抜群のスタイルと愛らしさでモデルとして活躍し、2023年放送の大河ドラマ『どうする家康』で女優デビュー。同年10月「第19回クラリーノ美脚大賞」にてティーン部門受賞。8月8日~12日に上演される「海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド ~海と人がともに生きる~』」でヒロイン・サラ役を務め舞台に初挑戦する。