○幾田りら、あのの音楽的表現に感嘆
――それぞれ門出役が幾田さん、おんたん役があのさんに決まったときの心境を聞かせてください。
幾田:偶然なのか必然なのか、音楽をやってる2人でW主演を務めさせていただくことに、私は運命的なものを感じました。
2人とも音楽をやっているというところに、その2人のコンビネーションでしかできない門出とおんたんが生まれるといいな思っていたので、初めてあのちゃんが演じたおんたんの声を聞いたときに「すごいっ!」と思いました。
おんたんは早口で難しい言葉を話したりするので、なかなか聞き取れなかったり、抑揚がわかりづらかったりすると思うんですが、あのちゃんは音楽で培った表現力を持っているからか、音程がついてたり、リズムが早くなるところと、ゆっくりになるところの強弱が上手。
――あのさんはアフレコの際にそういったことを意識されていたんですか?
あの:普段、音楽をやってるから癖になってる部分や、自然と出てくる部分もあったけど、強弱や音程に関しては、おんたんがうるさいキャラクターだからこそ、メリハリはしっかりつけなきゃいけないと思っていたので、言い方やスピードで意識していました。そういうところを感じ取ってくれたのは嬉しいです。
幾田:(笑)
あの:見抜かれました(笑)。
○あの、幾田りらと“絶対的2人”に「一緒に作り上げられたら」
――一方、あのさんは門出役が幾田さんに決まっていかがでしたか?
あの:僕も幾田さんが門出の声を演じると聞いて、同じアーティストだったから嬉しかったです。門出の声は、原作を読んでいるときにはあまり想像できなくて。
パートナー的な立ち位置でできるのも嬉しかったし、門出とおんたんも絶対的な2人ですけど、私たちも同じように戦友じゃないですけど、一緒にこの作品をいいものに作り上げれたらいいなと思っていました。
幾田:嬉しいです……2人ともおんたんと門出がお互いじゃなかったら絶対に成り立っていなかったと思えているのはすごくいいことですよね。観ていただける皆さんの中にも原作ファンの方もたくさんいらっしゃるので、そういう風に思ってもらえたらいいなと強く願ってます。
○幾田りら&あの、互いにキャラクターへの解像度の高さに驚き
――お2人も門出とおんたんのように互いが絶対的な存在だったんですね。
幾田:あのちゃんと一緒に録っていた掛け合いの中で、おんたんが声を出して泣くシーンがあるんですけど、あのちゃんの泣く演技がとても良くて! 本当におんたんが泣いているようで。この解像度の高さはすごいなと感動したのを覚えてます。
特におんたんは重要なシーンで、感情を表に出したりする場面が多いんですけど、そういうキーとなるシーンをかっこよく演じていて、感心しっぱなしでした。
あの:逆に門出は、感情をガッと出すシーンがおんたんより少ないと思うんですけど、その分ニュアンスが難しいところが多くて。感情が高ぶって泣くところでも、門出はおんたんみたいにワァ~と泣かないけど、堪えながら泣いている。
「えっ」のひと言だけでも人への伝わり方って違ってくると思うんですが、そういうところを絶妙なニュアンスで演じ切れるのがすごい! 大きいものに目が行きがちだけど、細かいところがすごい上手だなと思いました。
■幾田りら
2000年9月25日生まれ。東京都出身。シンガーソングライターとして活動し、CM・映画・ドラマ等への楽曲提供も多数行っている。
■あの
2020年9月より「ano」名義でソロ音楽活動を開始。2022年4月にメジャーデビューを果たした。自身がボーカルを務めるバンド・I’sとしても活動しているほか、タレント、女優、モデルとしても活動の幅を広げている。映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章の主題歌 ano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」が現在発売中。