NGT48加入から9年「大切な人たちがたくさんできました」
アイドルグループ・NGT48の奈良未遥が7月1日、自身の夢だと公言し続けてきた1st写真集『こんな風に見られているのか?』(blueprint 3,300円)を発売した。タイトルが示すように、本人ですら気づかなかった多面的な魅力をとらえた一冊になっている同作で、彼女自身が見つけた新たな一面について聞いたほか、NGT48に加入してからの9年間についても振り返ってもらった。
(前後編の後編)

○写真集ならではのカットも

――写真集では、奈良さんの様々な魅力を感じられますが、その中でも大人っぽいカットを挙げるなら?

自分でもこんな一面があるんだなと思ったのは、下着の上に一枚羽織ったベッドでのカットなんですけど、撮影してる間、自分ではどんなふうに撮っていただいているのか分からないじゃないですか。でも、実際に撮っていただいたものを見たときに、「女性らしくてキレイだな、大人だな」と自分でも思ったんです。初めての自分に出会えた、今の年齢になったからこそ出せる色気もあるんだなと思って、すごくお気に入りの一枚です。

――表情も大人っぽいです。このカットを撮影したときは、どのようなことを考えていたんですか?

撮影中はその現場の雰囲気に飲み込まれてといいますか、いい意味で作ろうとせずに自然体でというふうにしようと、スタッフさんともお話していたので、ぼーっとして何も考えていないんです。アイドルのお仕事だと、ポーズも表情も作り込んでの撮影のほうが多いんですけど、不意の表情を撮っていただこうと思って、自然体でいました。

――奈良さんのプロフィールを拝見すると、好きな食べ物にあらゆるポテト料理が並んでいますよね。このカットは、その中でもアンチョビポテトが好きな奈良さんという感じでしょうか。

この奈良さんはアンチョビポテトでお酒を飲まれると思います(笑)。

――ご自身で「このカットはかわいい!」と自画自賛してしまうようなカットはありますか?

メガネをかけたパジャマ姿のカットなんですけど、寝起きでぽけっとして、「おはよう~」みたいな感じで。こういう本当に素のカットは今までお見せしたことがなかったですし、私自身、寝起きホヤホヤみたいな姿を見たことがなかったので、自分でも「こういう一面もあるんですね?」みたいな(笑)。普段の自分を見られている感じがして、恥ずかしさもあるんですけど、そういう一面も見せられるのが写真集のいいところだなと思いました。

○気づいたらアイドルになっていました

――続いて、NGT48の活動についてもお話を聞かせてください。2015年、第1期生としてグループに加入してから、9年が経ちました。この9年間は奈良さんにとって、どのような時間でしたか?

必死に目の前のことをやっていたら、9年経っていたというのが感想ではあるんですけど、ファンの皆さんと一緒に年を重ねて、一緒に成長することができました。いろんな環境の変化はあったんですけど、NGT48に加入できて良かったなとすごい思っていて。いろいろ考えるんです。もし違うアイドルグループに入っていたら、NGT48のオーディションに受かってなくて、別のお仕事をしていたら、どうなってたんだろうって。でも、いろいろ考えても、やっぱりNGT48だったから、9年間続けてこられた。何よりも周りの方に恵まれていて、もう離れられないくらい新潟のことも大好きになりましたし、大切な人たちがたくさんできました。

――奈良さんは青森出身ですが、どのような経緯で、NGT48のオーディションを受けることに?

子どもの頃からずっと、AKB48さんをはじめ、48グループが大好きで、応援していました。青森県って、CDの発売が3日遅れになったり、観たい音楽番組が放送していなかったり、推し活をするにはなかなか大変な環境だったんですけど、そんななかでも、何度も繰り返し、ライブDVDを観たり、音楽番組の録画を、家族から「また観るの!?」と言われるくらい観たりしていて(笑)。

一人のファンとして応援していたのですが、高校生の時に、同じように48グループが大好きな友だちが、「NGT48のオーディションを受けたいんだけど、一緒に受けない?」と声をかけてくれたんです。自分がアイドルになれるなんて思ってもみなかったんですけど、今思うと、心の片隅に憧れがあったのかなって。
受験のシーズンだったんですけど、両親からも、「こんなにアイドルが好きなんだったら、挑戦してみたら? 一回受けてみて、それでダメだったら、諦めて、受験勉強をしなさいね」と背中を押してもらって、その勢いで受けたら、気づいたらアイドルになっていました。

直感、正夢……「これは運命だったんだって」

――それで新潟を拠点に活動することになったわけですね。

NGT48と出会わなかったら、新潟にもまだ行ったことがなかったかもしれません。当時は一度も行ったことがなかったですし、ゆかりがあるわけでもありませんでした。でも、初めてオーディションで新潟を訪れたときに、ここに住むかもしれないと、直感的なものがあったんです。それで謎の自信が出て、受かることができた。あの時の直感は、今でも少し怖さを感じるくらい、はっきりとしたものでした。

――そんな予感めいたものが。

NGT48に加入してからも、続けて正夢を見ました。会ったことのない外国人の方の夢を見て、なんだろう? と思っていたら、後になって、それがJKT48の子たちだと分かったり、点と点が線でつながることがすごくたくさん起こって、これは運命だったんだって。そういったことは、今はもう全くないんですけど。

○ハイライトシーンを挙げるなら?

――それはすごい……。
晴れて、オーディションに合格したものの、正規メンバーではなく、研究生として活動することに。奈良さんがオススメの楽曲として挙げている楽曲「下の名で呼べたのは・・・」のドキュメンタリー映像では、涙する奈良さんの姿もありましたが、この楽曲は今も特別なものですか?

1期生はみんな、同じスタートラインから始まったんですけど、劇場公演の初日にステージに立てたのは正規メンバーだけでした。ある番組の生放送にメンバーの子と一緒に出演した後に、正規メンバーの発表があって、その子は正規メンバーになって、私は研究生だと告げられました。ついさっきまで一緒に番組に出ていたのに、一気に立場が変わってしまったのは結構つらかったですね。

研究生はいつ昇格できるかも分からないですし、音楽番組にも出られないので、だんだんと経験値の差を感じるようになって、モヤモヤしちゃう部分があったんですけど、研究生楽曲として、「下の名で呼べたのは・・・」という楽曲をいただいて、それがすごく力になったんです。研究生のことも、もっと知ってもらいたいと思いました。研究生だったことのある人はみんな、研究生を経験できて良かったと口をそろえて言うんですけど、先が見えなくて不安があった当時の気持ちで歌っていたときと、昇格した元研究生メンバーで歌うとまた歌詞の意味が違って感じたり、すごく思い入れがある楽曲です。

――つらい経験もありましたが、後に正規メンバーへ昇格。表題曲選抜メンバーにも選出されました。そんな奈良さんにとって、NGT48での活動を振り返って、現段階でのハイライトシーンを挙げるなら?

私の中で一番大きかったことは、「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で21位という順位をいただいたことです。実際に起こったことなのに、改めて、その順位に並んでいる皆さんのお名前を見ると、その中に入れていただいたことに、その時以上に驚きがあります。当時は研究生だったんですけど、ファンの皆さんが私のことを押し上げようと頑張ってくださった結果でもありましたし、世界選抜総選挙にランクインすることで、ずっと観ていた音楽番組に出させていただいたり、色々なお仕事をさせていただくきっかけになったり、景色が180度変わりました。
あの選挙がなかったら、もう夢を見られなくなって、NGT48からも離れてしまっていたかもしれません。

――オーディション合格、研究生時代、世界選抜総選挙、すべてが今回の写真集発売につながっていると思うと、こちらまで感慨深いです。では最後に改めて、読者の皆さんへ写真集の見どころをお願いします。

私のことを知ってくださっている方には、こんな一面もあるんだという発見をしてもらえて、初めて知ってくださる方にも、好きなワンカットを見つけていただける写真集になっていると思います。男性の方にも、女性の方にも楽しんでもらえる写真集だと思いますので、世代問わず、いろんな方に手にとっていただけたらうれしいです。

■プロフィール
奈良未遥
1998年3月20日生まれ。青森県出身。2015年、NGT48第1期生オーディション最終審査に合格し、活動開始。2018年、NGT48 3rdシングル「春はどこから来るのか?」で、表題曲選抜メンバーに初選出され、同年に正規メンバー昇格を果たした。
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