近年、IoT技術の発展によりさまざまな物理環境の「デジタルツイン」を構築することが可能になり、さらに3DデータやAI、AR/VRなどデジタル技術の活用により物理環境の「デジタルツイン」を構築することが可能となっている。
企業ユーザー調査でも「デジタルツイン」が広く認知されていることが確認され、活用を検討している企業が多いことが明らかになった。産業領域のデジタル化に取り組む企業の69.1%が「デジタルツイン」をすでに導入済み、または導入を検討しており、76.6%の回答者がその概要を理解していると回答している。
さらに、OT(Operational Technology、物理的なシステムや設備を最適に動かすための制御・運用技術の総称)関連の物理環境においてデジタルツインをすでに導入、または導入を検討している企業に対し、デジタルツインの対象となる物理環境について尋ねると、1位は「複雑な製品や機械」(37.5%)、2位は「工場のラインや作業員の動作」(33.3%)、3位は同率で「ビルや施設」、「人流や交通流」(26.4%)であったという。
IDC Japan Software & Services リサーチマネージャーの小野陽子氏は、次のように述べている。「デジタルツインは、対象となる物理環境が複雑で運用や制御に人手やコストがかかっている分野、より高いレベルの最適化が求められる分野、顧客満足度や品質、安全性の向上が期待されている分野などで導入が検討されるケースが多く、調査結果はそのような企業の意識を反映している」