●プロレスシーン「とにかく楽しかった」
大ヒットを記録したNetflixシリーズ『極悪女王』(世界独占配信中)で、ダンプ松本とともに極悪同盟として活躍したクレーン・ユウ(本庄ゆかり)を演じたお笑いコンビ・マリーマリーのえびちゃんにインタビュー。プロレスシーンにまつわるエピソードや、ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァとの共演などについて話を聞いた。
1980年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描いた本作。最恐ヒールに成り上がっていくダンプ松本をゆりやんレトリィバァが演じ、クラッシュ・ギャルズを結成し国民的アイドルレスラーへと駆け上がる長与千種とライオネス飛鳥を、唐田えりかと剛力彩芽がそれぞれ演じた。本格的な肉体改造と長きにわたるプロレス練習によって、プロレスシーンもほぼすべてキャスト自ら熱演。その再現度の高さにも感嘆の声が上がった。
――プロレススーパーバイザーを務められた長与千種さんからプロレスを褒められたそうですね。
「覆面被っていいからデビューしない?」と言われました(笑)。怖がらずにやれる性格で、みんなは後ろ受け身とか怖がっていましたが、私は「いける!」と思うんです。昔から運動が好きで、スポーツもずっとやってきたので。
――スポーツは何をやられていたんですか?
バレーボールです。小学校入る前からボールを触っていて、バレーボールを本格的にやっていたのは小学1年生から大学2年生までです。短大だったので。今もたまに芸人とやっています。
――もともと運動が得意というのもプロレスに役立ったのですね。
「いける!」とイメージできたらできるので楽しかったです。飛んで回って受け身を取るのもめっちゃ好きで。長与さんが褒めてくださったのは私が怖がらなかったからかもしれないですね。あとは体が丈夫だからかなと思います。
――とはいえ、技の習得は大変だったのでは?
そうですね。私はヒールなので持ち上げて投げる側が多かったんですけど、持ち上げる側はできても、持ち上がる側はたぶん苦手だと思います。体幹を使って倒立みたいに上がらないといけないので、そっちの方が大変じゃないかなと。あと、技は1人でやるわけではないので、息を合わせるのが大事だと思いました。
――印象に残っている技がありましたら教えてください。
えりかとやったダブルアーム・スープレックスという技は、覆面時代だったので「スタントでも大丈夫だよ」と監督さんが言ってくれたんですけど、「やりたいです」と言いました。練習の時にえりかとやったら1発でできて「イエ~イ!」って。
――難しい技もそんなに苦労せずに!?
とにかく楽しかったです。あの時は大変だったのかなと思いますが、楽しさが勝っていたので、終わらないでほしいと思いました。
――長与さんからプロレスに誘われたとのことですが、実際に挑戦してみようという気持ちは?
それはちょっと……(笑)。本当のプロレスラーさんは本当にすごいと思うので。役としてまたやらせていただける機会があったらぜひやりたいです。
血まみれの肉弾戦。グロいですよね(笑)
――かなり衝撃的なシーンですよね。撮影はいかがでしたか?
一番楽しい撮影シーンでした。ゆりやんさんとだからお互い遠慮なく叩けるし、ゆりやんさんも遠慮なく来てくれるので反応もしやすいし。あんなに血まみれになっても、カットかかった瞬間に「イエ~イ!」って終わるので、監督たちもあまり心配せず、「好きにやっていいよ」みたいな感じでした。
――本気で殴り合っているわけですよね?
そうです。不思議なもので、あの時はアドレナリン出まくっていて、痛いよりも「決まった! 気持ちいい!」みたいな感じで。とにかくあのシーンがダイナミックになるように、ゆりやんさんと「これやってみます!?」「マジで頭を噛んでください」とかいろいろ話しました。私が引退するきっかけの試合なので、とにかく悲惨に見えるように意識しました。
――ゆりやんさんとしっかりコミュニケーションを取って全力でぶつかり合ったからこそ、素晴らしいシーンが生まれたわけですね。
そうだと思います。ほかの人よりもゆりやんさんは預けることができて、ゆりやんさんも預けてくれたと思うので、だからこそよりリアルなシーンになったのかなと。本気でぶつかっていたので、負けて大森ゆかりさん役の隅田杏花が入ってきた時は、本当に涙が出てきました。
――ゆりやんさんとは『極悪女王』で共演する前から知り合いだったのでしょうか。
1回だけ本社で見かけて挨拶したことがありますが、それだけでした。なので、初めましての時、めっちゃドキドキしました。プロレス練習で初めましてだったんですけど、その日にゆりやんさんが「一緒にご飯食べよう」と言ってくれて、初めて会った日に2人でお弁当を食べたのをめっちゃ覚えています。
――そこから一気に親しい関係に?
今ではすごい電話もします。海外に行ってしまうので、その前にいっぱい遊んでおこうと思って。この前、私の誕生日にお揃いのサングラスとお揃いのミッキーのバッグをくださって、「これでディズニー行こう!」って。なんて優しい方なんだと思いました。
――ゆりやんさんはご自身にとってどんな存在ですか?
こんなに出会えてよかったと思う先輩はいないかもしれません。ゆりやんさんの近くにいると、芸人としていい意味で焦るし、めっちゃ勉強になります。本当に楽しそうにネタやお笑いをやられていて。単独ライブも何回も見に行かせてもらったんですけど、こんなに自由にできたら楽しいだろうなと思うので、自分も気張りすぎず、ゆりやんさんみたいに楽しんでやりたいなと。芸も唯一無二ですごいなとリスペクトしていて、マジで出会えたよかったです。
■えびちゃん
1995年9月30日生まれ、茨城県出身。NSC東京校22期。2019年7月1日にタコスとお笑いコンビ・マリーマリーを結成。
大ヒットを記録したNetflixシリーズ『極悪女王』(世界独占配信中)で、ダンプ松本とともに極悪同盟として活躍したクレーン・ユウ(本庄ゆかり)を演じたお笑いコンビ・マリーマリーのえびちゃんにインタビュー。プロレスシーンにまつわるエピソードや、ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァとの共演などについて話を聞いた。
1980年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描いた本作。最恐ヒールに成り上がっていくダンプ松本をゆりやんレトリィバァが演じ、クラッシュ・ギャルズを結成し国民的アイドルレスラーへと駆け上がる長与千種とライオネス飛鳥を、唐田えりかと剛力彩芽がそれぞれ演じた。本格的な肉体改造と長きにわたるプロレス練習によって、プロレスシーンもほぼすべてキャスト自ら熱演。その再現度の高さにも感嘆の声が上がった。
――プロレススーパーバイザーを務められた長与千種さんからプロレスを褒められたそうですね。
「覆面被っていいからデビューしない?」と言われました(笑)。怖がらずにやれる性格で、みんなは後ろ受け身とか怖がっていましたが、私は「いける!」と思うんです。昔から運動が好きで、スポーツもずっとやってきたので。
――スポーツは何をやられていたんですか?
バレーボールです。小学校入る前からボールを触っていて、バレーボールを本格的にやっていたのは小学1年生から大学2年生までです。短大だったので。今もたまに芸人とやっています。
――もともと運動が得意というのもプロレスに役立ったのですね。
「いける!」とイメージできたらできるので楽しかったです。飛んで回って受け身を取るのもめっちゃ好きで。長与さんが褒めてくださったのは私が怖がらなかったからかもしれないですね。あとは体が丈夫だからかなと思います。
――とはいえ、技の習得は大変だったのでは?
そうですね。私はヒールなので持ち上げて投げる側が多かったんですけど、持ち上げる側はできても、持ち上がる側はたぶん苦手だと思います。体幹を使って倒立みたいに上がらないといけないので、そっちの方が大変じゃないかなと。あと、技は1人でやるわけではないので、息を合わせるのが大事だと思いました。
――印象に残っている技がありましたら教えてください。
えりかとやったダブルアーム・スープレックスという技は、覆面時代だったので「スタントでも大丈夫だよ」と監督さんが言ってくれたんですけど、「やりたいです」と言いました。練習の時にえりかとやったら1発でできて「イエ~イ!」って。
そんなのが多かったですね。
――難しい技もそんなに苦労せずに!?
とにかく楽しかったです。あの時は大変だったのかなと思いますが、楽しさが勝っていたので、終わらないでほしいと思いました。
――長与さんからプロレスに誘われたとのことですが、実際に挑戦してみようという気持ちは?
それはちょっと……(笑)。本当のプロレスラーさんは本当にすごいと思うので。役としてまたやらせていただける機会があったらぜひやりたいです。
ゆりやんをリスペクト「出会えてよかった」
――ゆりやんさん演じるダンプさんとの激しい戦いも描かれていました。血まみれの肉弾戦。グロいですよね(笑)
――かなり衝撃的なシーンですよね。撮影はいかがでしたか?
一番楽しい撮影シーンでした。ゆりやんさんとだからお互い遠慮なく叩けるし、ゆりやんさんも遠慮なく来てくれるので反応もしやすいし。あんなに血まみれになっても、カットかかった瞬間に「イエ~イ!」って終わるので、監督たちもあまり心配せず、「好きにやっていいよ」みたいな感じでした。
――本気で殴り合っているわけですよね?
そうです。不思議なもので、あの時はアドレナリン出まくっていて、痛いよりも「決まった! 気持ちいい!」みたいな感じで。とにかくあのシーンがダイナミックになるように、ゆりやんさんと「これやってみます!?」「マジで頭を噛んでください」とかいろいろ話しました。私が引退するきっかけの試合なので、とにかく悲惨に見えるように意識しました。
――ゆりやんさんとしっかりコミュニケーションを取って全力でぶつかり合ったからこそ、素晴らしいシーンが生まれたわけですね。
そうだと思います。ほかの人よりもゆりやんさんは預けることができて、ゆりやんさんも預けてくれたと思うので、だからこそよりリアルなシーンになったのかなと。本気でぶつかっていたので、負けて大森ゆかりさん役の隅田杏花が入ってきた時は、本当に涙が出てきました。
――ゆりやんさんとは『極悪女王』で共演する前から知り合いだったのでしょうか。
1回だけ本社で見かけて挨拶したことがありますが、それだけでした。なので、初めましての時、めっちゃドキドキしました。プロレス練習で初めましてだったんですけど、その日にゆりやんさんが「一緒にご飯食べよう」と言ってくれて、初めて会った日に2人でお弁当を食べたのをめっちゃ覚えています。
――そこから一気に親しい関係に?
今ではすごい電話もします。海外に行ってしまうので、その前にいっぱい遊んでおこうと思って。この前、私の誕生日にお揃いのサングラスとお揃いのミッキーのバッグをくださって、「これでディズニー行こう!」って。なんて優しい方なんだと思いました。
――ゆりやんさんはご自身にとってどんな存在ですか?
こんなに出会えてよかったと思う先輩はいないかもしれません。ゆりやんさんの近くにいると、芸人としていい意味で焦るし、めっちゃ勉強になります。本当に楽しそうにネタやお笑いをやられていて。単独ライブも何回も見に行かせてもらったんですけど、こんなに自由にできたら楽しいだろうなと思うので、自分も気張りすぎず、ゆりやんさんみたいに楽しんでやりたいなと。芸も唯一無二ですごいなとリスペクトしていて、マジで出会えたよかったです。
■えびちゃん
1995年9月30日生まれ、茨城県出身。NSC東京校22期。2019年7月1日にタコスとお笑いコンビ・マリーマリーを結成。
神保町よしもと漫才劇場を中心に活動。女優としてはテレビ朝日系ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(2023)、Netflix『極悪女王』に出演。
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