三井住友銀行は1月28日、「お金に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年1月15日~1月16日、20~40代の有職者(男女)600名を対象にインターネットで行われた。

○20~40代の最も多い貯金額は「11~50万円」

20~40代の男女に対し、現在の貯金額(現金貯金のみ、外貨・証券は含まず)を聞いたところ、「11~50万円(15.5%)」が最も多く、次いで「~10万円以下(14.2%)」「51~100万円(12.1%)」という結果に。さらに貯金する目的を質問したところ、「いざという時の備え(32.3%)」「老後の生活費(18.5%)」が上位を占めつつ、「特に目的はない(24.4%)」ということも判明した。将来や有事の際の備えのために貯金を行う人が多い一方で、目的があって貯金をしている人ばかりではないことが伺える。

○約7割は家族に自身の貯金額を伝えず

家族やパートナーに自身の貯金額を伝えているかを質問したところ、約7割(67.1%)が「伝えていない」と回答。貯金額を伝えている割合を年代別で見ると30代は26.9%、40代は30.5%であることに対し、20代は42.5%と4割を超える結果から、若年層は他の世代よりも貯金額を共有することへの抵抗感がないことが伺える。

また貯金額に限らず、銀行口座やお金の話題について普段から家族や友人に相談するかを聞いたところ、「あまり相談しない(19.0%)」「まったく相談しない(34.6%)」と半数以上の人が相談しないと回答。生活の中で重要な"お金のこと"は親密な間柄であっても共有したり、相談したりしている人が少ないことが明らかになった。

○利上げを認識している人の約4割が貯金額を増加

日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除。同年7月には0.25%への利上げを決定した。また、2025年1月24日に開いた金融政策決定会合で、およそ16年ぶりに政策金利を0.5%に引き上げることを発表した。こういった段階的な金利引き上げの流れがある中で、利上げによる生活者への影響を明らかにするため、日銀政策金利が引き上げられたことを知っているかを質問したところ、知っていると回答した人の割合は4割(39.9%)に留まり、6割(60.1%)は知らないことが明らかに。

一方で、金利の引き上げを知っていると回答した人の内、36.1%は金利の引き上げにより貯金額を増加したことが明らかになった。
「特に20代の58.4%は利上げによって貯金額を増やしており、馴染みのなかった『金利のある世界』に期待を寄せているのかもしれない」(同調査)。

さらに増加した貯金額を聞いたところ、「1~5万円未満(32.9%)」が最も多く、次いで「5~10万円未満(23.9%)」「10~50万円未満(15.5%)」が上位を占めた。

また全体の61.8%はメインで利用している銀行口座の金利を把握していないことも判明。今後さらに金利が引き上げられた場合、貯金額を増加するかを質問したところ、「はい(25.8%)」「いいえ(34.1%)」「金利次第で検討する(40.1%)」と回答。追加の利上げ次第で、貯金額を増加しようと考えている人が全体の6割を超える結果となった。

金利の引き上げをきっかけとした銀行口座の切り替えや新規開設の有無を聞いたところ、14.9%の人が「切り替えた(新規開設した)」と回答。一方、「検討したが行わなかった(24.6%)」「行っていない(60.5%)」と回答した人へその理由を質問したところ、「切り替えるほど金利にメリットを感じていない(37.8%)」「手間が大きい・面倒(37.7%)」「現在利用している銀行口座の方が、安心感がある(16.8%)」が上位を占める結果に。金利の良さ以上に、現在利用している銀行への満足感や口座を切り替えることへの手間を感じていることが伺える。

○貯金用、生活費の支払等の使い分けを行っている人は約8割

春の新生活や新年度の就職や転勤などをきっかけに銀行口座を新しく開設しようと考える人も多いのでは。家族でも話さない"お金のこと"のひとつである、銀行口座の使い分け等の実態を明らかにするため、現在、保有している口座数を聞いたところ、「2つ(30.8%)」が最も多く、次いで「3つ(22.5%)」「1つ(22.2%)」という結果に。口座を2つ以上保有している人の内、75.5%は貯金用、生活費の支払等の使い分けを行っており、使い分けている目的は「現金貯蓄(61.3%)」「給与/年金の受取(58.8%)」「生活費の支払(54.5%)」が上位を占めた。

また、現在メインで利用している銀行口座を選んだ理由、第1位は「身近に店舗やATMがある(27.4%)」、第2位「手数料が安い(22.0%)」、第3位「全国に店舗やATMがある(20.8%)」という結果に。
他にも「安心感(17.4%)」、「信頼感(15.7%)」、「ポイントが貯まりやすい(15.4%)」、「web・アプリが使いやすい(13.9%)」がメインの銀行口座を選んだ理由として挙げられた。金融機関のデジタルサービスやアプリなどで利便性を求めつつ、親しい間柄にも話しづらい"お金のこと"だからこそ、安心感・信頼感があり、身近な場所に相談できる店舗や窓口がある銀行を選んでいるのかもしれない。
編集部おすすめ