江崎グリコは1月29日、「適正糖質」について学ぶメディア勉強会を開催。健康と美味しさを両立する調理法や食習慣の考え方などを紹介した。
○■「適正糖質」とは?
創業者 江崎利一が、牡蠣の煮汁に含まれるグリコーゲンの豊富な栄養に着目して栄養菓子「グリコ」を作ってから100年あまり。これまで同社は、酵母入りビスケット「ビスコ」、アーモンド入りの「アーモンドグリコ」など、数多くの健康関連食品を世に送り出してきた。江崎グリコ 健康イノベーション事業本部の福永稚菜氏は、そんな歴史を紐解きながら「創業以来、どんなに時代が変化してもGlicoグループの“事業を通じて社会に貢献する”という使命は変わることがありません」と説明する。
最近では、現代人に不足しがちな食物繊維、カルシウム、ビタミンEが手軽に摂取できる「アーモンド効果」シリーズ、そして適正糖質のスイーツや食品が揃う「SUNAO(スナオ)」シリーズなどがロングセラー商品となっている。
SUNAOは、美味しくて身体にも優しい、食べたい気持ちに素直になれるブランドとして誕生した。アイス、ビスケット、パスタの各カテゴリから商品が販売されている。福永氏は「SUNAOが目指しているのは、全ての人が食べることを楽しみ、心も身体もずっと健康でいられる社会です」とアピールする。
ここで、今回のテーマとなる適正糖質について説明したい。この考え方は一般社団法人「食・楽・健康協会」の提唱(朝、昼、夕に摂取する糖質量を毎食20~40g以内、間食で10g以下にする)に準じたもので、1日で摂取する糖質量について70~130g以内を適正糖質としている。
この日の会場では、乾麺の『SUNAO もっちりパスタ』を使用した料理が紹介された(詳細は後述)。同商品は、糖質を抑えながらも奥深い味わいを実現するためにデュラム小麦粉+もち大麦粉を適度なバランスで配合したのが特徴で、「もっちり食感を楽しめる」と人気が出ている。
福永氏は、同社が2024年に実施した「糖質に関する意識調査」についても紹介した。
それによれば、消費者が「自分自身にとって必要だと感じる」健康用語の1位は食物繊維、2位はタンパク質、3位に糖質オフが入っており、4位はカロリーオフだった。
また別の調査は「糖質オフ」について「毎食ではないが意識して取り入れている」「意識しているが取り入れられていない」と回答した人に、糖質オフを食事に取り入れられないときがある理由を聞いたもの。上位には「甘いものを我慢できないときがある」「炭水化物を我慢できない」「周りの人の食事に合わせる必要がある」といった理由が並んだ。
そこで江崎グリコでは、食べたいものを我慢せずに適正糖質で楽しめるアレンジレシピをサイトで公開している。この日の会場でも、14年連続ミシュラン獲得の名店ピアット・スズキの鈴木弥平シェフと取り組んだ「ズッキーニとバジリコのパスタ」と「豚肉のインボルティーニ」がお披露目。筆者も試食の機会を得た。
会場に招かれた鈴木シェフは、司会の女性から開発に苦労した点について聞かれると「もっちりパスタに、私の店舗で普段から出しているパスタソースをかけたものです。難しい工夫はありません」と謙遜する。しかしズッキーニ、バジル(葉)、パンチェッタ、粗挽き黒胡椒などを使用したソースは濃厚で重層的な味わい。もっちりパスタとの相性も抜群で、本格的なイタリアンに仕上がっていた。同メニューは1月31日より、鈴木シェフのピアット・スズキ(東京都・港区)でも提供されるという。
このあと管理栄養士の吉野愛氏が、糖質を意識した食生活のための10か条を公開。
普段の食事の糖質量を知る、主食は盛りすぎずにタンパク質や野菜もたっぷり食べる、コクや旨みを意識して満腹感を出す、といったコツを紹介した。
さて、糖質をテーマに取り上げた今回のような勉強会に出席すると、実際、いまの自分の身体の“糖化度”を知りたい、という気持ちにもなってくる。実は、指一本で糖化度を計測できる「AGEs測定専用機器」なるものがあるそうで、筆者も試してみた。
結果は「B」。同年代の健康な人と比較して、やや低いくらいのレベルだという。このAGEs測定専用機器は、様々な医療機関のほか、東京駅一番街 B1Fの「東京おかしランド」に入っているアーモンド専門店Glico ALMOND DAYSにも設置されており、誰でも無料で測定できる。気になった方は、足を運んでみると良いだろう。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。
動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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