メルシャンは3月4日より、コンチャ・イ・トロUK社が手掛けるワインの新商品『ジョイ ジューシー レッド』『ジョイ ブライト ホワイト』を全国展開し、あわせて『ジョイ フルーティ ロゼ』を新発売する。希望小売価格は1,188円。
Z世代をはじめとする若者に向けた、フルーティでほどよい甘さが特徴の商品となっている。

○■ワイン市場の活性化に向けて

高い品質を誇る数多くのプレミアムブランドを展開するチリNo.1ワイナリーのコンチャ・イ・トロによるJOY(ジョイ)シリーズが日本初上陸となる。ワイン商品にしては珍しい、カラフルでポップなパッケージデザインには「あえて品種や産地を訴求せず、ワイン=難しいというイメージを払拭させたい」という関係者の思いが込められている。

もぎたてのフルーツを思わせるような、優しい甘みのあるワインに仕上がった。赤の『ジョイ ジューシー レッド』は、チェリー、ストロベリー、フランボワーズといった赤い果実の華やかな香りが特徴(アルコール度数は10.5%)。白の『ジョイ ブライト ホワイト』は、洋梨、メロン、熟したリンゴ、ピーチなどの爽やかな香り(同12%)。ロゼの『ジョイ フルーティ ロゼ』は、ピーチ、ラズベリーのような香りで、穏やかな酸味と程よい甘みが調和する(同11%)。

メルシャン 輸入事業本部の須永和子氏は、新規ユーザーの獲得に向けた取り組みについて説明。その中で「当社ではターゲットの分類を、自分らしさ層、こだわり層、健康志向層、やりくり層、の4セグメントに再定義しました。JOYシリーズは、流行に敏感で限定品や新商品を好む『自分らしさ層』に向けた商品です」と強調する。

国内のワイン市場に目を向ければ、マーケット全体で縮小傾向にある。その要因として、そもそもの飲酒人口の減少、またワインから他カテゴリへの流出、といったことが挙げられる。
「ワインのコモディティ化、同質化も喫緊の課題のひとつです」と須永氏。こうした現状を打破し、市場の活性化を図るメルシャンでは、イギリス市場で若者の取り込みに成功したコンチャ・イ・トロUKのJOYシリーズの国内展開に期待を寄せる。

メルシャン 輸入事業本部の溝渕萌香氏は「実はワインの消費量で世界5位のイギリスにおいても、Z世代のワイン離れが進んでいました。市場調査では『自分の好きなワインの傾向を理解している』と答えた若者の割合は(上の世代と比較して)著しく低く、また18~24歳の消費者の間でワインブランドは“人気のアルコール飲料ブランドTop 10”の中にも入っておりません」と紹介する。

そこでコンチャ・イ・トロUKでは、マーケッターが商品設計を担当。「若年層は甘口でフルーティな味わいを求める傾向が強い」という調査報告に着目してJOYシリーズを開発し、見事にヒットを飛ばした。「コンチャ・イ・トロ社の母国チリでは、まだJOYシリーズを販売していません。イギリスに次いで販売国に選ばれたのが日本です。このあと、韓国でも発売予定です」と溝渕氏。

日本国内での販売に際しては、店頭に販促用のポップを設置するなどして情報発信を強化し、またSNS投稿によるキャンペーンなども積極的に行っていく。このほか、気軽に作れる“JOYカクテルレシピ”を提案することで「ワインを飲んでみたいけれど難しそう、と躊躇する若年層に、もっと自由に自分らしく楽しめるお酒なんだ、ということを伝えていきたい」(溝渕氏)考えだという。ちなみに目標出荷数は3SKU(3商品)で3万ケースとしている。


近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
編集部おすすめ