オムロンがパワーエレクトロニクスに注力

オムロンは5月12日、同社の長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」で掲げる社会的課題の1つである「カーボンニュートラルの実現」の達成に向けた研究開発拠点「パワーエレクトロニクスセンタ(仮)」を2025年10月1日付で、京都府向日市の桂川事業所内に開設する計画を発表した。

現在、同社は2024年4月より始動させた構造改革プログラム「NEXT2025」の一環として、注力技術領域の再構築に取り組んでおり、今回、その注力技術の1つとして、カーボンニュートラルを実現する上で各事業を横断するコア技術となるパワーエレクトロニクスに注力することを決定したという。

技術力の向上による競争力強化で2030年度に2000億円の売り上げを目指す

主に、太陽光発電に使うパワーコンディショナーや蓄電池システム(社会システム事業)、工場の自動化で重要となる電源やサーボドライブ(制御機器事業)などの成長事業を支える領域のコア技術の強化を図っていくことを念頭に、新拠点では、パワーエレクトロニクス機器の小型化・高効率化に寄与する次世代デバイスの活用や再生可能エネルギー普及のためのエネルギー制御技術の開発について、「研究開発」から社会実装のための「商品開発」までを一気通貫、かつ、事業横断で行っていくことを目指すとしている。

同社では、今回の取り組みについて、グループの事業戦略と技術戦略が一体となった成長戦略の第一歩と説明しており、最新の技術を駆使し、エンジニアたちが自由な発想で革新を追求できる環境を整え、事業横断的に連携しながら、次世代ソリューションの社会実装を加速させていくことを目指すとする。

なお、オムロンでは今回の拠点設立をはじめ、今年度からの3年間で約50億円を追加投資するほか、100名規模のエンジニアを新たに採用することで、技術開発力の向上による事業成長を図っていき、2030年度までに関連事業において2000億円の売上達成を目指すとしている。
パワーエレクトロニクスセンタ(仮)の概要

パワーエレクトロニクスセンタ(仮)の概要は以下の通り。

名称: オムロン株式会社 技術・知財本部 パワーエレクトロニクスセンタ(仮)
開所日:2025年10月1日(予定)
フロア面積:1000m2

業務内容:パワーエレクトロニクスの研究開発から商品開発の実行
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